「ホワイトコーヒー」と聞くと、ミルクで白くしたコーヒーを想像する人が多い。マレーシアで出てくるのは、見た目はふつうのミルクコーヒーと変わらない薄茶色の一杯だ。
白いのは色ではない。豆の煎り方の話である。
マレーシアのコーヒーは、豆を砂糖やマーガリンと一緒に黒くなるまで煎るのが普通だ。それに対してホワイトコーヒーは、砂糖を使わずに浅めに煎る。名前は、この煎り方の違いから来たと説明されることが多い。ここでは何が違うのかを先に整理し、そのあとインスタントの選び方、銘柄、日本で買える場所の順に見ていく。商品と店の情報は2026年10月時点のもの。
マレーシアのホワイトコーヒーとは
マレー半島の北西、ペラ州の州都イポーで生まれたコーヒーだ。豆をマーガリンで浅めに煎り、抽出したものに練乳(加糖のコンデンスミルク)を入れて飲む。
マーガリンで煎るので、ほんのりバターのような香りがつく。苦みは強くない。練乳の甘さが前に出て、コーヒーというより甘いミルク飲料に近い印象になる。ブラックで飲むものではないと考えておくと、最初の一杯で戸惑わない。
普通のコピとは焙煎がまるで違う
マレーシアの街なかのコーヒー店(コピティアム)で「コピ(Kopi)」と頼むと、出てくるのは真っ黒に近いコーヒーだ。焙煎の段階で砂糖とマーガリンを絡めるので、豆の表面がカラメルで黒く照る。焦がした砂糖の香ばしさと苦みが強い。
ホワイトコーヒーはその砂糖を抜く。煎り方も浅い。
「白い」の意味については、焙煎の色を指すという説明のほか、中国語の「白咖啡」をそのまま訳しただけという説もある。どちらにしても、カップの中身が白いわけではない。
ややこしいのが地域差だ。南部のジョホール州などでは、砂糖もマーガリンも使わずに煎ったリベリカ種の豆をホワイトコーヒーと呼ぶこともある。日本で売られているインスタントは、ほぼイポー式のほうだと考えていい。
生まれはイポーのコーヒー店

イポーは錫の鉱山で栄えた町で、中国から渡ってきた人が多く暮らしていた。ホワイトコーヒーは、その人たちが営んだ旧市街のコピティアムで出されるようになったものだ。
元祖を名乗る店は複数ある。どこが最初かは、地元でも話が揃っていない。
今のように国の名物として知られるようになったのは、インスタントが出てからだ。1958年創業のイポーのコーヒー店「南香(Nam Heong)」の一族が、1999年に「OLDTOWN」の名前でインスタントのホワイトコーヒーを売り出した。翌2000年には、同じイポーのChek Hupが3in1を出している。
現地での頼み方と、家での飲み方

マレーシアのコピティアムには、コーヒーの頼み方に決まった言い回しがある。旅行で行くなら覚えておくと便利だ。
| 頼み方 | 出てくるもの |
|---|---|
| コピ(Kopi) | 練乳入りの甘いコーヒー |
| コピ・オ(Kopi O) | ミルクなし、砂糖入り |
| コピ・シー(Kopi C) | 無糖のエバミルクと砂糖入り |
| 語尾に「ペン」「アイス」 | 氷入り |
| ホワイトコーヒー | ホワイトコーヒー用の豆で淹れ、練乳入り |
ホワイトコーヒーは店の看板として別に書かれていることが多い。迷ったら、そのまま「ホワイトコーヒー」と言えば通じる。
家ではインスタントで十分に近い味になる。マレーシアの3in1は1袋35〜40gほどあり、日本のスティックコーヒーよりずっと重い。中身の多くは砂糖とクリーマーで、そのぶん甘い。
お湯の量はパッケージの表示に従うのが基本。甘すぎると感じたら、お湯を足すより無糖のコーヒーを少し混ぜたほうが香りが薄まらない。
アイスにするなら、少量のお湯で粉を完全に溶かしてから氷を入れる。冷たい水には溶け残る。
インスタントの選び方|2in1・3in1・減糖
日本の通販で見かけるのは、ほとんどがインスタントのスティックだ。違いは中身の組み合わせにある。
- 3in1:コーヒー+クリーマー+砂糖。現地の甘さそのまま。いちばん種類が多い
- 3in1 減糖:砂糖を減らしたもの。「Less Sugar」「Less Sweet」と書いてある
- 2in1:コーヒー+クリーマーで、砂糖なし。甘さを自分で足せる
初めてなら3in1のクラシックを選ぶ。現地の味を一度知っておくと、次に減糖や2in1に移ったときに違いが分かりやすい。
おすすめ銘柄
OLDTOWN(オールドタウン)
1999年からインスタントのホワイトコーヒーを売っているブランド。マレーシアにはカフェのチェーン店もある。アラビカ、ロブスタ、リベリカの3種の豆を合わせている。クラシックのほか、減糖、ヘーゼルナッツ味、砂糖なしの2in1まで揃い、日本の通販でもいちばん見つけやすい。
Chek Hup(チェックハップ)
1965年にイポーで創業した会社。焙煎に使うマーガリン由来のバターの香りが売りで、マレーシアの通販サイトでは2in1がよく売れている。甘さ控えめの「Less Sweet」もある。
Aik Cheong(益昌)
マレーシアの老舗コーヒーメーカー。ホワイトコーヒーは砂糖を減らした「Less Sugar」の3in1が日本の通販で見つかりやすい。甘さを抑えたい人の最初の1袋に向く。
Super(スーパー)
シンガポールのSuperグループのブランドで、マレーシアのスーパーでもよく並んでいる。3in1のクラシックは1袋40gと、ここで挙げた中でも量が多い。砂糖なしの2in1もある。
日本でホワイトコーヒーが買える場所
通販|楽天市場・Amazon
確実に手に入るのは通販だ。OLDTOWNは楽天市場やAmazonに複数の店から出品されていて、Chek HupやAik Cheongも見つかる。
注意したいのは値段の幅。15袋入りの同じ商品が、店によって2,000円台から4,000円近くまで開いている。輸入代行の店は届くまで1〜2週間かかることもある。商品ページで発送元と賞味期限の表示を確かめてから頼みたい。
実店舗|ハラル食材店・東南アジア食材店
近所で探すなら、ハラル食材店や東南アジアの食材を扱う店が候補になる。マレーシア製品はインドネシアやタイの食材と同じ棚に置かれていることが多い。在庫は店ごとにばらつきがあるので、行く前に電話で聞いておくと空振りしない。
ほかのマレーシア食材と合わせて探すなら、マレーシア食材が買えるスーパー・通販まとめに店ごとの得意な品をまとめてある。
現地で買ってくる
マレーシアに行くなら、現地のスーパーで買うのがいちばん安い。地球の歩き方の特派員記事では、OLDTOWNクラシックの15袋入りが17.8リンギットで紹介されている。軽くてかさばらないので、職場へのお土産にも使いやすい。お菓子と合わせて選ぶなら、マレーシアのお菓子・お土産おすすめ10選も参考になる。
KOKYO MARKET|東南アジアの甘いコーヒーを試すなら
中国・台湾から東南アジアまでの食品を扱うKOKYO MARKETでは、2026年10月時点でマレーシアのホワイトコーヒーは扱っていない。代わりに、同じ「クリーマーや練乳で甘く飲む」系統のインドネシアとタイのコーヒーがある。ホワイトコーヒーの甘さが好きなら、隣の国の味も試してみる価値がある。

インドネシアのインスタントコーヒーミックス。砂糖とクリーマー入りの3in1で、1袋20g。ホワイトコーヒーより量が少ないぶん、甘さはいくらか軽い。
KOKYO MARKET で見る(29,200円) / 楽天市場で「INDOCAFE 3in1」を探す

インドネシアの3in1。バニラの香りがついた甘いミルクコーヒーで、OLDTOWNのヘーゼルナッツ味が好きな人に近い方向。
KOKYO MARKET で見る(10,100円) / 楽天市場で「GOOD DAY 3in1 オリジナル」を探す

タイのミルクコーヒー。300ml入りで、冷やしてそのまま飲める。お湯を沸かす手間がない。
KOKYO MARKET で見る(4,500円) / 楽天市場で「イチタン タイミルクコーヒー」を探す
→ インドネシア・タイのコーヒーミックスやお菓子、調味料を扱う。まとめ買いすると送料を抑えやすい
- 楽天市場
→ マレーシアのホワイトコーヒーはこちら。銘柄が決まっているなら早い
東南アジアの飲み物をもう少し広く知りたいなら、タイの人気ドリンク8選でタイティーやタイのコーヒーも紹介している。産地で選ぶコーヒーなら、コナコーヒーとは?のほうが近い。
まとめ
ホワイトコーヒーは、砂糖を使わずマーガリンで浅く煎った豆を練乳で甘く飲む、イポー生まれのコーヒーだ。苦いコーヒーが苦手な人ほど入りやすい。
日本で買うなら、まずは通販でOLDTOWNの3in1クラシック。甘すぎたら減糖、自分で調整したいなら2in1に移ればいい。



