シュラスコに要る物は、思ったより少ない。
肉の塊、粗い塩、長い串。本場の味付けは基本的に塩だけなので、極端に言えばこの3つで始められる。困るのは、3つとも近所のスーパーでは揃いにくいことだ。
イチボは塊で並んでいない。塩は粒が細かすぎる。串は焼き鳥用の竹串しか置いていない。焼き方を紹介する記事は多いのに、材料をどこで買うかまで書いたものは少ない。
ここでは、家でシュラスコをするための材料を1つずつ取り上げ、どこで買うのが確実かをまとめた。ブラジルでの発音に近い「シュハスコ」と表記する店もあるので、探すときは両方で検索してみてほしい。
シュラスコの材料と買える場所の早見表
先に全体を並べておく。
| 材料 | いちばん確実な入手先 | 次の候補 |
|---|---|---|
| 牛イチボ(ピッカーニャ)の塊 | 精肉店に取り置きを頼む/通販 | ブラジル食材店 |
| 豚肩ロース・鶏もも・鶏ハツ | 近所のスーパー | 精肉店 |
| 粗粒の岩塩 | 通販 | スーパーの調味料売り場 |
| 金属の串 | 通販 | ホームセンター・アウトドア店 |
| リングイッサ(生ソーセージ) | ブラジル食材店・専門通販 | 楽天市場 |
| ファロッファ・チミチュリ | ブラジル食材店・専門通販 | 楽天市場 |
| ビール・ラム酒 | KOKYO MARKET | スーパー・酒屋 |
肉の半分はふつうのスーパーで済む。わざわざ探しに行くのは、イチボ、塩、串、それにブラジルの物だけでいい。
肉はどこで買える?
牛イチボ(ピッカーニャ)は塊で頼む
シュラスコの主役はピッカーニャ。日本でいうイチボで、牛のお尻の上のほうの部位だ。脂の層を付けたまま厚く切り、皮目を外側にしてU字に曲げて串に刺す。
ここで引っかかる。スーパーのイチボは、焼肉用の薄切りか小さなステーキで売られていることが多い。シュラスコにはまず使えない。
確実なのは精肉店に頼むこと。「イチボを脂付きのブロックで1kg」と伝えれば、取り寄せてくれる店は少なくない。国産か輸入かでも値段が大きく変わるので、予算を先に伝えておくと話が早い。
近くに頼める精肉店がなければ通販になる。楽天市場では、オーストラリア産やアメリカ産のイチボが1kg前後のブロックで出ている。冷凍で届くので、焼く前日には冷蔵庫に移して解凍しておく。
豚・鶏はスーパーで十分
ピッカーニャだけでは、人数が多いと肉が足りない。ブラジルのシュラスコ店でも、牛以外の串がたくさん回ってくる。
- 豚肩ロース(ロンボ):塊で売っていることが多い。2〜3cm角に切って刺す
- 鶏もも(コシャ・ジ・フランゴ):ひと口大に切る。皮は付けたまま
- 鶏ハツ(コラソン):焼き鳥用のパックで十分。小さいので串にいくつも並べる
このあたりは近所のスーパーで揃う。鶏ハツは置いていない店もあるので、見つからなければ精肉店で一緒に頼めばいい。
味付け済みの肉を買う手もある
肉を切って刺すのが面倒なら、下味の付いた肉を買う方法もある。神奈川県綾瀬市のラテン大和は、ブラジル式の生ソーセージを作っている会社で、味付けした「あやせシュハスコ」をオンラインストアで売っている(オリジナルが972円、税込・2026年10月時点)。
ラテン大和の送料は5,000円以上の注文で無料になる。リングイッサと一緒に頼めば、その線はすぐに越える。
岩塩はどこで買える?粒の大きさで選ぶ
細かい塩では代わりにならない
本場では、焼く直前に粗い塩を肉の表面にまぶす。ブラジルでは「サウ・グロッソ」と呼ばれる粗塩で、粒は米粒より大きい。
粒が大きいと、塩が肉の表面に乗ったまま溶けきらず、外側だけがしっかり塩辛くなる。中は肉の味のまま。焼けたら外側を薄く削いで出すので、ひと切れごとに塩の効き方が変わる。
食卓用のさらさらした塩でやると、表面で溶けて全体がしょっぱくなる。代わりにはならない。
日本では「岩塩の粗粒」で探す
サウ・グロッソそのものは、日本ではほとんど見かけない。そのかわり、粒の粗い岩塩なら選べる。
スーパーの調味料売り場には、ミル付きのボトルに入った岩塩が置いてあることが多い。ただ、シュラスコでは1回に肉1kgあたり大さじ1〜2杯ほど使うので、ミルで挽くと手が疲れる。粗粒のまま袋で売っている物を選んだほうがいい。
通販なら、「岩塩 粗粒」「ロックソルト 1kg」で探すと、粒の大きさを書いた商品が出てくる。数mm程度の粒が使いやすい。
「シーズニングソルト」と書かれた物は、塩以外の調味料が混ざっていることが多い。本場どおり塩だけで焼きたいなら、原材料が塩だけの物を選ぶ。
串はどこで買える?長さと形で選ぶ
竹串では塊肉を支えられない
シュラスコの串は金属製で、平たい。断面が丸い串だと、焼いているうちに肉が串の周りで回ってしまい、裏返せなくなる。平たい剣のような形なら肉が回らない。
長さはコンロに合わせて選ぶ。シュラスコのイベントでは65cm前後の長い串が使われることが多いが、家庭のバーベキューコンロなら、両端が数cmずつはみ出す長さで足りる。買う前にコンロの幅を測っておく。
ソーセージ用には、2本の串が並んだ二股のものもある。リングイッサを刺すときに回らないので便利だ。
ホームセンターより通販のほうが選べる
ホームセンターやアウトドア用品店のバーベキュー売り場にも金属の串はある。ただ、置いてあるのは30cm前後の短い物が中心で、シュラスコ用の平たい長串は店による。
確実なのは通販だ。「シュラスコ 串」で探すと、長さ別・本数別に並ぶ。ブラジルの調理器具ブランド、トラモンティーナの串も出てくる。
串を回しながら焼く専用のグリルもあるが、最初は要らない。手持ちのコンロに串を渡して、ときどき手で返せば焼ける。
ブラジルの食材はどこで買える?
肉と塩と串で、シュラスコはできる。それでも「ブラジルっぽさ」を出したいなら、次の3つを足したい。どれも近所のスーパーではまず手に入らない。
リングイッサ(生ソーセージ)
にんにくの効いたブラジル式の生ソーセージ。シュラスコでは、牛肉が焼けるまでのつなぎとして最初に出てくることが多い。
ブラジル食材店の冷凍ケースで買える。通販なら、製造元のラテン大和か、東京・五反田のキョウダイマーケットが中心になる。キョウダイマーケットではカンポベロのガーリック入り(500g)が1,123円だった(税込・2026年10月時点)。

ブラジル式の生ソーセージ。にんにくが効いていて、炭火でじっくり焼くと脂が落ちて皮がはじける。
KOKYO MARKET で見る(3,900円) / 楽天市場で「リングイッサ ソーセージ 冷凍」を探す
キョウダイマーケットは、冷凍品を常温品と同じ注文に入れられない。リングイッサと一緒にガラナや調味料を頼むと注文が取り消されるので、分けて頼む。
ファロッファ
キャッサバの粉を炒って味を付けたもの。焼いた肉に振りかけて、肉汁を吸わせて食べる。ブラジルの食卓では、シュラスコの横にほぼ必ず置いてある。
常温で日持ちするので、通販でまとめて頼みやすい。
キャッサバ粉を炒って味付けしたもの。肉やフェイジョンにふりかけて食べる。
チミチュリとヴィナグレッチ
肉に添えるソースは2つある。
チミチュリは、パセリ・にんにく・酢・オイルで作るアルゼンチン生まれのソース。ラテン大和のオンラインストアでは270円で売られている(税込・2026年10月時点)。
ヴィナグレッチは、トマト・玉ねぎ・ピーマンを細かく刻んで酢とオリーブオイルで和えたもの。材料はすべてスーパーで揃う。こちらは買わずに作ればいい。
シュラスコに合わせるお酒はKOKYO MARKETで
塩だけで焼いた脂の多い肉には、冷えた軽いビールが合う。ブラジルでも、シュラスコの日は薄めのラガーを何本も空けるのがふつうだ。
KOKYO MARKETは、世界のビールやお酒を直輸入で扱う通販サイト。正直に書くと、ブラジルの食品や銘柄は今のところ置いていない。それでも、シュラスコの横に並べたいお酒はひと通りそろう。

まずは中南米のラガー。コロナは軽く、炭酸がしっかりしているので、脂を流してくれる。

メキシコの軽いラガー。脂の多いイチボと合わせても重くならない。ライムを差して飲む。
KOKYO MARKET で見る(1,700円) / 楽天市場で「コロナ・エキストラ・瓶ボトル330ml」を探す
カイピリーニャを作りたいなら、本来はカシャッサを使う。手に入らなければホワイトラムで代わりになる。ラムで作ったものは「カイピリシマ」と呼ばれる。


クセの少ないホワイトラム。ライムと砂糖をグラスの中でつぶし、氷と一緒に注ぐとカイピリシマになる。
KOKYO MARKET で見る(5,100円) / 楽天市場で「バカルディ スペリオール ホワイト 750ml」を探す
赤ワインを開けるなら、果実味のはっきりしたカベルネ・ソーヴィニヨンが牛肉の脂に負けない。

オーストラリアのカベルネ・ソーヴィニヨン。黒い果実の味がしっかりしていて、塩だけで焼いた牛肉に合わせやすい。
KOKYO MARKET で見る(2,300円) / 楽天市場で「クオリア・ワインズ ソルトブッシュ カベルネ・ソーヴィニヨン 750ml」を探す
KOKYO MARKETは注文金額の条件なしで送料無料。ビールを数本だけ頼んでも送料がかからない。肉や食材はブラジルの専門店、お酒はKOKYO MARKET、と分けて頼むと、どちらの送料も無駄にならない。
カシャッサにこだわるなら、楽天市場で銘柄を指定して探す。
ブラジルでよく飲まれているカシャッサの銘柄。カイピリーニャのベースになる。
揃える順番と、当日までの段取り
材料は、届くのに時間がかかる物から押さえる。
1週間前:串と塩を注文する。 常温で届くので、いつ頼んでもいい。串はコンロの幅を測ってから選ぶ。
5日前:イチボを手配する。 精肉店なら取り寄せに数日かかることがある。通販なら冷凍で届くので、冷凍庫の空きを確保しておく。
3日前:ブラジルの冷凍品を受け取る。 リングイッサは冷凍で届く。発送は営業日だけの店が多いので、土日をはさむときは早めに。
前日:冷凍肉を冷蔵庫に移す。 1kgの塊は、冷蔵庫で解凍するのに丸1日近くかかる。お酒もここで冷やしておく。
当日:豚・鶏・野菜をスーパーで買う。 ヴィナグレッチもこのタイミングで作る。
塩は、焼く直前にまぶす。早く振ると水分が出て、表面が焼き固まりにくくなる。
店に行けるなら、ブラジル食材店でまとめて買う
近くにブラジル食材店があれば、イチボ以外のブラジルの物はほとんど1か所で揃う。店によっては精肉コーナーで塊肉を扱っていて、ピッカーニャの名前で売っていることもある。
通販でまとめて揃えるなら、送料無料になる金額と冷凍品の扱いを店ごとに比べたブラジル食材が買えるネット通販まとめを見ておくと、注文の組み方で迷わない。焼いている間に飲むソフトドリンクなら、ブラジルのガラナはどこで買える?に銘柄ごとの買い方を書いた。
肉は精肉店、串と塩は通販、ブラジルの物は専門店、お酒はKOKYO MARKET。4つに分けて頼めば、家の庭やベランダでもシュラスコの日は作れる。



