「アメリカのお菓子はまずい」。SNSでも旅行記でも、よく見かける一言です。
ただ、中身を読むと「甘すぎる」「薬っぽい」「酸っぱすぎて舌が痛い」と、言っていることがばらばら。ひとつの理由でまずいわけではありません。日本の菓子にない味の方向がいくつかあって、そのどれかに当たった人が「まずい」と書いている。そう見たほうが実態に近いです。
だから、理由がわかれば避けられるし、逆にわざと当たりに行くこともできる。面白いのはむしろそちらです。
「アメリカのお菓子はまずい」は半分だけ本当
アメリカで売れている菓子は、アメリカ人の舌に合わせて作られています。日本人の舌に合わせていないだけで、品質が悪いわけではない。ハーシーもリーセスも、向こうでは何十年も売れ続けている定番です。
一方で、日本人の多くが慣れていない味が混ざっているのも事実。代表的なのは次の5つです。
どれも「腐っている」「失敗している」味ではありません。日本の菓子売り場に、その方向の商品がほとんど無いというだけです。
まずいと言われる5つの理由
1. 甘さの量が多い
いちばん多い感想がこれ。アメリカの菓子は砂糖やコーンシロップの量が多く、1個の大きさも日本の倍近いものがあります。スニッカーズは1本で食事の代わりにする人がいるくらい重い。
日本の菓子は「もう1個食べたくなる」甘さに寄せてあり、アメリカの菓子は「1個で満足させる」甘さに寄せてある。そう考えると、同じ感覚で2個目に手を伸ばすときつく感じるのは当然です。
2. チョコレートに酸味がある
ハーシーのミルクチョコを食べて「酸っぱい」「チーズっぽい」と感じる人がいます。ヨーロッパでも同じことを言われていて、海外メディアが何度も取り上げてきた話題です。
よく挙がる説明は、原料の牛乳の脂肪が分解されてできる酪酸という成分。パルメザンチーズの香りにも含まれるものです。ハーシーは酪酸を「足している」わけではないと説明していて、牛乳の処理方法そのものは公開していません。
日本の板チョコはミルクの甘い香りが前に出るので、そこで差を感じやすい。好きな人はこの酸味をクセになると言います。
3. 日本にない香りがする
ブラックリコリスとルートビアがこの枠です。
ブラックリコリスは甘草(リコリス)の根やアニスで香りをつけた黒いグミのような菓子。漢方薬を思わせる香りで、日本人の評価はかなり厳しい。ちなみに赤いトゥイズラーズはイチゴ味で、リコリスの香りはありません。名前で避ける必要はないです。
ルートビアは植物の根や樹皮で香りをつけた炭酸飲料で、日本では「湿布の味」と言われがち。飲み物についてはアメリカの炭酸飲料・ジュースおすすめ8選で詳しく書いています。
4. 酸っぱさが極端
ウォーヘッズのような「サワーキャンディ」は、表面に酸味料をたっぷりまぶしてあります。口に入れた瞬間がいちばん酸っぱく、しばらく舐めていると普通のフルーツ飴に戻る。
まずいというより、我慢大会の道具です。アメリカでも子どもが顔をしかめるのを動画に撮って楽しむ菓子で、最初からそういう遊び方が前提になっています。
5. 食感が独特
ピープス(ヒヨコ形のマシュマロ)は砂糖をまぶしたマシュマロそのもので、ふわふわというよりむっちり。キャンディコーンは砂糖とコーンシロップを固めた三色の粒で、ろうそくのような歯ざわりだと言われます。
どちらもイースターやハロウィンの季節菓子。味より「その季節に食べること」に意味があるお菓子なので、普段のおやつとして食べると評価が辛くなりがちです。
話のネタになる定番8品
ここからは「まずい」と言われやすいもの、逆に日本人にも評判がいいものを混ぜて8品。順位ではなく、上の5つの理由のどれに当たるかで並べています。
ハーシー ミルクチョコレート
酸味の話をするならまずこれ。板チョコの形なので、日本の板チョコと並べて食べると違いがはっきりわかります。
アメリカの定番板チョコ。ミルクの酸味をどう感じるかで好みが分かれる。
リーセス ピーナッツバターカップ
ハーシーのブランドですが、こちらは日本人にも評判がいい側。チョコの中にピーナッツバターが詰まっていて、甘さと塩気が同時に来ます。アメリカのお菓子が苦手な人の「最初の1個」にも向きます。
チョコの中にピーナッツバター。甘じょっぱいアメリカの代表格。
スキッピー ピーナッツバター
菓子そのものではありませんが、甘じょっぱい味の元をたどるとここに行き着きます。クラッカーやプレッツェルに塗るだけで、アメリカのおやつの味になる。
KOKYO MARKET で大容量のクリーミーを扱っています。

アメリカの定番ピーナッツバター。クラッカーに塗るだけでアメリカのおやつになる。
KOKYO MARKET で見る(2,800円) / 楽天市場で「スキッピー ピーナッツバター」を探す
トゥイズラーズ ブラックリコリス
赤いトゥイズラーズと同じ形で、色が黒いもの。食べ比べで「どちらがリコリスか」を当てるだけで盛り上がります。
甘草とアニスの香りがする黒いリコリス菓子。好き嫌いがはっきり出る。
ウォーヘッズ
サワーキャンディの代表。袋の中で味ごとに色が分かれていて、酸っぱさは味によって少しずつ違います。1粒目は覚悟して。
表面の酸味料が強烈なサワーキャンディ。舐め続けると普通の飴に戻る。
ジェリーベリー ビーンブーズルド
見た目がそっくりな2つの味のどちらかが当たる、ジェリービーンズの罰ゲーム版。片方はフルーツ味、もう片方は「腐った卵」や「臭い靴下」といった味になっています。まずいことを楽しむための商品なので、ここで紹介する中ではいちばんSNS向きです。
ジェリーベリーの罰ゲーム用ジェリービーンズ。同じ見た目でまともな味と変な味がある。
ピープス
ヒヨコやウサギの形をした、砂糖がけのマシュマロ。イースターの時期にアメリカのスーパーを埋め尽くします。そのまま食べるより、電子レンジで温めて膨らむのを眺めるのが向こうの定番の遊び方です(温めすぎると焦げるので数秒ずつ)。
ヒヨコ形の砂糖がけマシュマロ。イースターの季節菓子。
キャンディコーン
白・オレンジ・黄の三色の粒。ハロウィンの菓子で、アメリカ人の間でも好き嫌いの議論が毎年起きるほどです。日本でネタにしても、向こうの人に「わかる」と言ってもらえる数少ない菓子でもあります。
ハロウィンの三色キャンディ。アメリカでも好みが割れる定番。
家で食べ比べるなら、この順番で
何人かで集まって食べ比べるなら、順番を決めておくと失敗しにくいです。酸っぱいものを先に食べると舌がしびれて、そのあとの味がわからなくなる。だから甘じょっぱいもの、香りのクセ、酸っぱいもの、の順に進めます。
第1ラウンドで「アメリカのお菓子、普通においしい」となり、第2ラウンドで意見が割れ、第3ラウンドで全員が顔をしかめる。動画に撮るなら、この流れがそのまま見せ場になります。
口直しには水と、塩気のないクラッカーを用意しておくと便利。ビーンブーズルドは最後にくじ引きのように回すと盛り上がります。
アメリカのお菓子はどこで買えるか
ハーシーやM&M’sのような大手は、ドン・キホーテやカルディ、PLAZAの輸入菓子コーナーで見つかることがあります。ただ、ブラックリコリスやキャンディコーンのような「まずいと言われる側」の菓子は、店頭ではまず見ない。食べ比べ用に揃えるなら通販が現実的です。
→ スキッピーのピーナッツバターやアメリカのビールを直輸入で扱っています。アジア各国のお菓子もあるので、国をまたいだ食べ比べの材料も一緒に揃えられます
- 楽天市場
→ 並行輸入のアメリカ菓子が多く、季節菓子も時期になると出てきます。ポイントが貯まります

店ごとの得意な商品はアメリカのお菓子はどこで売ってる?店舗・通販まとめにまとめています。「まずい」ではなく素直においしいものから選びたい人は、アメリカのお菓子おすすめランキング20選からどうぞ。お菓子以外のアメリカ食品も探すなら日本でアメリカ食品が買えるスーパー・専門店まとめが使えます。
キャンディコーンは秋、ピープスは春に出回ります。季節を外すと通販でも在庫が薄くなるので、食べ比べの予定を立てるなら時期から逆算しておくと確実です。



