フィリピン食品のおすすめを探すと、出てくるのはほとんどがドライマンゴーとお土産の話だ。おいしいのは確かだが、それだけでは家でアドボもシニガンも作れない。
日本に住むフィリピン出身の人は30万人を超える。そのぶん、調味料や麺、缶詰は国内でも意外なほど手に入る。困るのは「どれを買えば何が作れるのか」が分かりにくいことだ。
そこで、日本の通販や食材店で継続して買えるフィリピン食品を13点選び、4つの部門に分けた。順位の基準は「1つ買うと、作れる料理がどれだけ増えるか」。お菓子は別の記事にまとめているので、ここでは食事になるものに絞っている。
このランキングの決め方
見たのは3つ。上ほど重く見ている。
1. 日本でいつでも買えるか。 現地の市場にしかないものは外した。KOKYO MARKET、楽天市場、フィリピン食材店のどこかで常時扱いがあるものだけにしている。確認したのは2026年9月時点だ。
2. 何品に使えるか。 フィリピンの家庭料理は、同じ酢と醤油を何度も使い回す。こういう調味料を上に置いた。
3. 初めてでも持て余さないか。 バロット(孵化しかけのアヒルの卵)のような上級者向けの食材や、業務用の大容量は外した。
フィリピン料理は、実は日本の台所との相性がいい。醤油と酢と砂糖とにんにく。基本の味付けはこの4つで回っている。足りないのは、あちらの酢の角の取れ方と、醤油の塩気の強さ、それからバナナケチャップの甘さくらいだ。
どの商品がどの料理に効くのかを先に見ておくと、買い物で迷わない。
調味料部門ランキング(1〜5位)
1位 ダトゥプティ(Datu Puti)ビネガー

サトウキビから作るフィリピンの家庭用の酢。米酢よりツンとした香りが穏やかで、煮込んでも尖りが残りにくい。1Lボトルなのでアドボを何度も作れる。
KOKYO MARKET で見る(1,500円) / 楽天市場で「Datu Puti フィリピンビネガー 1L」を探す
フィリピン食材を1つだけ買うなら、これになる。
アドボは、肉を酢と醤油とにんにくで煮込む料理。フィリピンで「家の味」といえば、たいていこれを指す。レシピを開くと、酢の銘柄にダトゥプティと書いてあることが多い。
米酢でも作れないことはない。ただ、米酢は加熱すると酸味が立ちやすく、煮汁が鋭くなる。ダトゥプティは酸味の角が丸く、醤油と合わせたときにまとまりがいい。
使い道はアドボだけではない。揚げ物につけるたれ(刻んだにんにくと唐辛子を漬け込む)、魚の酢じめ「キニラウ」にも回せる。
酸味をもっと効かせたい人には、ココナッツ由来の酢に唐辛子を漬け込んだピナクラットもある。こちらは料理に使うより、焼いた肉につけて食べる卓上の酢だ。

唐辛子やにんにくを漬け込んだ辛い酢。焼いた豚肉や揚げ物につけて食べる。
KOKYO MARKET で見る(3,900円) / 楽天市場で「ピナクラット ビネガー 250ml」を探す
2位 シルバースワン(Silver Swan)ソイソース

フィリピンの定番醤油。日本の濃口より塩気が強く、甘みは少ない。アドボとパンシットの味付けに使う。
KOKYO MARKET で見る(1,700円) / 楽天市場で「シルバースワン ソイソース 1L」を探す
ダトゥプティと並んで、アドボに指定されることが多い醤油。
日本の醤油でも代用はできる。違いが出るのは塩気で、シルバースワンのほうがはっきりしょっぱい。日本の醤油で作るとき、レシピどおりの量だと味がぼやけることがあるのはこのためだ。
酢と醤油の2本が揃えば、アドボはもう作れる。1位と2位はセットで考えていい。
3位 UFC バナナケチャップ
バナナを原料にした赤いケチャップ。トマトケチャップより甘く、フィリピン風のスパゲッティやフライドチキンに合わせる。
日本の調味料では代わりが利かないものの筆頭。
名前のとおりバナナから作るケチャップで、赤いのは着色料による。味はトマトケチャップより甘く、酸味が控えめだ。
フィリピンの誕生日会に欠かせないのが、ホットドッグ入りの甘いスパゲッティ。あの味はこのケチャップで出す。トマトケチャップに砂糖を足しても、どこか違う。
オムレツやフライドチキンにそのままかけてもいい。子どもがいる家なら、減りが早いはずだ。
4位 マギー サボール カラマンシー

醤油系の調味液にフィリピンの柑橘カラマンシーの香りをつけたもの。肉の下味やつけだれに使う。
KOKYO MARKET で見る(2,600円) / 楽天市場で「サボール カラマンシー スモール 130ml」を探す
カラマンシーは、すだちほどの大きさの小さな柑橘。フィリピンでは醤油に搾って、焼き魚や揚げ物のたれにする。
日本では生のカラマンシーが手に入りにくい。サボールは、その「醤油+カラマンシー」を1本にしてある。豚肉を漬け込んで焼くだけで、フィリピンの食堂の味に近づく。
唐辛子の辛みを足したチリマンシー味もある。
5位 バリオフィエスタ バゴオン

小エビを塩漬けにして発酵させたペースト。牛テールのピーナッツ煮込み「カレカレ」に添えるほか、青いマンゴーにつけて食べる。
KOKYO MARKET で見る(1,800円) / 楽天市場で「バリオフェスタ バゴーン レギュラー」を探す
小エビの塩辛で、フィリピンでは「バゴオン・アラマン」と呼ばれる。瓶を開けると、発酵したエビの香りがしっかり来る。
5位にしたのは、使う料理が限られるからだ。ただし、カレカレを作るならこれが無いと成り立たない。カレカレのソースはピーナッツで甘く、味が薄い。そこへバゴオンを少しずつのせて、塩気を足しながら食べる。
炒めてあるので、瓶から出してそのまま使える。辛口もある。

唐辛子入りの辛口のバゴオン。ご飯にのせたり、炒め物の味付けに使う。
KOKYO MARKET で見る(1,800円) / 楽天市場で「バリオフィエスタ バゴオン スパイシー」を探す
料理の素部門ランキング(6〜7位)
6位 クノール シニガンミックス
タマリンドの酸味で作るスープ「シニガン」の素。豚肉や海老を大根・オクラ・青菜と煮て、溶かし入れるだけで味が決まる。
シニガンは、タマリンドの酸味を効かせたスープ。アドボと並んで、フィリピンの人が「国の料理」に挙げることが多い。
本来は生のタマリンドを煮て潰し、酸味を引き出す。日本でそれをやるのは難しい。粉末のシニガンミックスなら、1袋で鍋1つぶんの味が決まる。
具は豚バラ肉が基本。大根、オクラ、なす、空心菜など、日本のスーパーにある野菜で十分に作れる。酸っぱいスープが初めての人は、袋の量を少し減らして始めるといい。
KOKYO MARKETでは扱いが無いので、楽天市場かフィリピン食材店で探すことになる。
7位 マギー マジックサラップ

にんにくと玉ねぎの風味をつけた顆粒の万能調味料。炒め物、スープ、揚げ物の衣にひと振りして使う。
KOKYO MARKET で見る(1,800円) / 楽天市場で「マギー マジックサラップ 55g」を探す
「サラップ」はタガログ語で「おいしい」。フィリピンの台所で、日本の顆粒だしのように使われている調味料だ。
にんにくと玉ねぎの香りが強いので、野菜炒めやチャーハンにひと振りすると、それだけでフィリピンの食堂っぽい味になる。唐揚げの下味に混ぜる使い方も向こうではよく見る。
1袋が小さく、使い切れずに困ることがない。最初の買い物に1つ混ぜておくと便利だ。
麺部門ランキング(8〜9位)
8位 ホベ パンシット・カントン(乾麺)

パンシット・カントン用の卵入り小麦麺。ゆでてから、野菜と肉と一緒に醤油で炒める。
KOKYO MARKET で見る(2,600円) / 楽天市場で「ホベ パンシット カントン 227g」を探す
パンシットはフィリピンの焼きそばで、誕生日に長寿を願って食べる料理でもある。麺が長いほど縁起がいい、とされている。
種類はいくつかあり、日本で作りやすいのは小麦の麺を使う「パンシット・カントン」。中華麺より細く、炒めても切れにくい。
味付けはシルバースワンの醤油とマジックサラップ、仕上げにカラマンシー(なければレモン)を搾る。2位と7位の調味料をここでも使う。
米の麺を使う「パンシット・ビーホン」を作りたいときは、台湾やベトナムのビーフンで代わりが務まる。
9位 ラッキーミー パンシット・カントン(インスタント)

フィリピンで広く食べられている汁なしのインスタント麺。唐辛子とカラマンシーの味付けで、辛さと酸味が同時に来る。
KOKYO MARKET で見る(8,800円) / 楽天市場で「ラッキーミー パンシットカントン チリマンシー」を探す
汁なしのインスタント麺で、フィリピンではコンビニにも家の戸棚にもある。ゆでて湯を切り、付属の調味油とソースを絡めて食べる。
味はいくつかあるが、チリマンシー(唐辛子+カラマンシー)は日本の焼きそばにない方向の味だ。甘辛くて、あとから酸味が来る。
1袋が小さく、日本のカップ焼きそばより量は控えめ。夜食にちょうどいい。
缶詰・レトルト部門ランキング(10〜13位)
10位 ピュアフーズ コンビーフ

繊維感の残るフィリピンのコンビーフ。玉ねぎと炒めて、ご飯と目玉焼きを添える。
KOKYO MARKET で見る(3,800円) / 楽天市場で「ピュアフーズ コンビーフ缶 210g」を探す
フィリピンの朝ごはんに「シログ」がある。にんにくご飯(シナガッグ)と目玉焼き(イトゥログ)に、おかずを1品のせた皿のことだ。おかずがコンビーフなら「コンシログ」になる。
作り方は、みじん切りの玉ねぎとにんにくを炒め、コンビーフをほぐして加えるだけ。フィリピンではじゃがいもを入れる家も多い。
コンビーフの使い方をもっと知りたいなら、簡単で美味しいコンビーフアレンジレシピ5選にまとめてある。
11位 センチュリー ツナフレーク

味付きのフィリピンのツナ缶。カラマンシー味は酸味があり、ご飯にのせるだけで一品になる。
KOKYO MARKET で見る(2,500円) / 楽天市場で「センチュリー ツナフレーク カラマンシ味」を探す
日本のツナ缶は味が付いていないものが多い。フィリピンのツナ缶は、最初から味付きのものが棚の大半を占める。
カラマンシー味、ホット&スパイシー味など、そのままご飯のおかずになるように作られている。パンに挟んでもいい。

唐辛子の辛みを効かせたツナフレーク。そのままご飯や食パンにのせて食べる。
KOKYO MARKET で見る(2,500円) / 楽天市場で「センチュリー ツナフレーク ホット&スパイシー」を探す
12位 ゴルディロックス ピノイデリ ラーイン

タロイモの葉をココナッツミルクと唐辛子で煮込んだ、ビコール地方の料理「ラーイン」のレトルト。温めるだけで食べられる。
KOKYO MARKET で見る(3,000円) / 楽天市場で「ゴルディロックス ピノイデリ ラーイン 150g」を探す
ラーインは、干したタロイモの葉をココナッツミルクでとろとろになるまで煮た料理。家で作るとなると、タロイモの葉を手に入れるところで止まる。
ゴルディロックスはフィリピンの大手ベーカリーで、ピノイデリはそのレトルトの料理シリーズ。袋ごと温めて、ご飯にかけて食べる。ココナッツのコクの奥に、唐辛子の辛さがじわっと来る。
13位 ピノイデリ ディヌグアン

豚肉を豚の血と酢で煮込んだ黒いシチュー「ディヌグアン」のレトルト。フィリピンでは米の蒸し菓子プトと一緒に食べる。
KOKYO MARKET で見る(2,800円) / 楽天市場で「ピノイデリ ディヌグアン」を探す
最後は少し上級者向け。ディヌグアンは豚肉を豚の血で煮込む料理で、見た目は真っ黒だ。
味は見た目ほど癖が強くない。酢が効いていて、レバーのようなコクがある。フィリピン出身の友人がいるなら、これを出すと驚かれるかもしれない。
フィリピン食材を揃える順番
13点を一度に買う必要はない。作りたい料理から逆算して、この順で足していけば無駄が出にくい。
最初の1回は、ダトゥプティとシルバースワンの2本だけでいい。アドボを作ってみて、フィリピンの味が気に入ったら、シニガンミックスとマジックサラップを足す。誕生日やパーティーの予定があれば、パンシット麺とバナナケチャップ。
フィリピン食品はどこで買える?
通販で買う
近くにフィリピン食材店が無い人は、通販から始めるのが早い。
→ フィリピン食品の売り場があり、ダトゥプティの酢、シルバースワンの醤油、マギーのサボールとマジックサラップ、バゴオン、ピュアフーズのコンビーフ、パンシット麺まで揃う。このランキングの13点のうち11点を1か所で買える
- 楽天市場
→ バナナケチャップとシニガンミックスはこちら。複数のフィリピン食材店が出店しているので、価格と送料を並べて比べられる
KOKYO MARKET で買えるおすすめ商品
この記事で紹介した商品の多くは、輸入食品・お酒の通販サイト KOKYO MARKET で購入できます。中国・台湾・韓国・ベトナムの食材から海外のビール・ワインまで、日本ではなかなか手に入らない商品を直輸入で取り扱っています。

Datu Puti フィリピンビネガー 1L 1,500円
ホベ パンシット カントン 227g HOBE フィリピン産 2,600円
マギー サボール クラシック スモール 130ml Maggi Savor フィリピン産調味料 3,100円
マギー マジックサラップ 55g Maggi フィリピン料理 料理の素 1,800円
輸入食品の通販サイトを国をまたいで比べたいなら、おすすめ輸入食品通販9選も参考になる。
店で買う
東京の赤羽や錦糸町、埼玉の戸田、大阪の島之内などには、在日フィリピン人が通う食材店(サリサリストア)がある。冷凍のバンガス(ミルクフィッシュ)やロンガニーサ(甘いソーセージ)など、通販では見つけにくい冷凍品が並ぶのは店ならではだ。
店ごとの場所と品揃えは、フィリピン食材が買えるスーパー・専門店まとめに地域別で載せている。
カルディや業務スーパーでも、ドライマンゴーやココナッツミルクは手に入る。ただ、アドボ用の酢やバナナケチャップまで置いている店舗は多くない。
お菓子と、ほかの国の食材も
このランキングでは食事になるものに絞った。ドライマンゴー、ピアトス、ポルボロンといったお菓子は、フィリピンのお菓子人気ランキング10選で別に取り上げている。
東南アジアの料理を広げていくなら、甘い醤油と酸味の使い方が近いタイの食材も相性がいい。日本で買えるタイ食品・食材おすすめランキングTOP20と並べて見ると、調味料の重なりと違いが分かる。
アドボ1皿から始めるなら、必要なのは酢と醤油の2本だけ。それなら今週末にでも作れる。



