アメリカの台所をのぞくと、調味料は2か所に集まっている。冷蔵庫のドアポケットと、コンロ脇のスパイス棚だ。
ドアポケットにはケチャップ、マスタード、マヨネーズ、ドレッシング、ホットソース。スパイス棚にはガーリックパウダーやシーズンドソルトのような「振るだけ」の粉が並ぶ。日本の家庭で醤油・みりん・だしが担っている役目を、アメリカではこの2列が分け合っている。
ここでは、銘柄を選ぶ前に知っておきたい「どの家にもある定番」を種類ごとに整理した。それぞれ日本のどこで手に入るかも書いている。BBQソースを含めて銘柄を順位で比べたいときは、アメリカの調味料おすすめ10選のほうが向いている。
アメリカの定番調味料は「液体」と「粉」の2系統
日本の調味料は、煮る・漬けるといった調理の途中で使うものが多い。アメリカの定番は違う。焼いた肉や揚げ物に、食べる直前にかけるか、焼く前に振るか。ほぼこのどちらかで出番が決まる。
ボトルの液体は食卓でかける側。ハンバーガーにケチャップ、手羽揚げにホットソース。味付けを食べる人に任せる文化なので、テーブルに何本も並ぶ。
粉は焼く前に振る側だ。塩・こしょう・ガーリック・パプリカなどを最初から混ぜたミックスが多く、1本で下味が決まる。日本の「焼肉のタレ」に近い立ち位置と考えるとわかりやすい。
どの料理に何を合わせるのか。先に全体をつかんでおく。
冷蔵庫のドアに並ぶ定番5種
ケチャップ|ハインツ
アメリカでケチャップといえば、まずハインツ。1876年にペンシルベニア州ピッツバーグで売り出された、いまも続く定番だ。
日本のケチャップより酸味が立っていて、甘さは後から来る。ホットドッグ、ハンバーガー、フライドポテト。この3つにはほぼ必ず出てくる。
ハインツは日本法人があり、スーパーの調味料売り場や輸入食品店で普通に買える。アメリカで見かける逆さ置きのボトルや大容量サイズを探すなら通販が早い。
アメリカの食卓の定番ケチャップ。酸味がはっきりしていて、ポテトや肉料理に合う。
イエローマスタード|フレンチーズ
ホットドッグにかかっている、あの真っ黄色のマスタード。からしのようなツンとくる辛さはほとんどない。酢の酸味とターメリックの色が中心で、子どもでも食べられる。
フランス産のディジョンや粒マスタードとは別物と思ったほうがいい。ケチャップと一緒にホットドッグに線を引くのがアメリカ式で、ハンバーガーのパティに塗る人も多い。
日本では輸入食品店で見かけることがあるが、置いていない店も多い。確実なのは通販だ。
ホットドッグの黄色いマスタード。辛さは控えめで、酢の酸味が中心。
マヨネーズ|ヘルマンズとデュークス
アメリカのマヨネーズは、日本のものより白っぽく、味があっさりしている。卵黄だけで作る日本の主流と違い、全卵を使う商品が多いためだ。
全国で強いのはヘルマンズ。ロッキー山脈より西では同じ中身が「ベストフーズ」の名前で売られている。南部の家庭では、砂糖を入れないデュークスを好む人が多い。トマトを厚切りにしてパンに挟むだけの「トマトサンド」は、デュークスでないと、という南部の人もいるほどだ。
どちらも日本の店頭ではまず見かけない。サンドイッチやコールスローをアメリカの味に寄せたいなら、通販で取り寄せる。
全卵を使ったアメリカの定番マヨネーズ。日本のマヨより軽く、サンドイッチ向き。
アメリカ南部で好まれる砂糖不使用のマヨネーズ。酸味がしっかりしている。
ランチドレッシング|ヒドゥンバレー
バターミルクにハーブとガーリック、オニオンを合わせた白いドレッシング。1950年代にカリフォルニアの牧場で生まれ、いまではアメリカで特に人気の高いドレッシングになった。
名前はドレッシングでも、実際はディップとして使われる量が多い。ピザの耳、フライドポテト、手羽揚げ、生のにんじんやセロリ。何にでもつける。
日本のスーパーではほとんど扱いがない。ボトルのほかに粉末タイプもあり、マヨネーズとヨーグルトで溶けば作れる。送料と保存を考えると粉末は便利だ。
ランチドレッシングの代表的なブランド。ディップ用なら粉末のミックスもある。
ホットソース|フランクス、タバスコ、シラチャー
アメリカの家庭のホットソースは、1本ではなく「何本かある」ことが多い。役割が違うからだ。
フランクス レッドホットは、バッファローウィング(手羽揚げ)の味そのもの。溶かしバターと混ぜて手羽にからめる。辛さはおだやかで、酢の酸味が強い。
タバスコはルイジアナ州のエイヴリー島で19世紀から作られている。数滴で鋭い辛さが入り、卵料理やピザ、カキに使う。日本でも普通に買える数少ないアメリカの調味料だ。
シラチャーソースは、ロサンゼルス近郊で作られてきた、ニンニクの効いたとろみのあるチリソース。ルーツはタイの調味料にあるが、緑のキャップのボトルはアメリカの食卓の風景になった。
バッファローウィングの定番ホットソース。辛さは控えめで酸味が強い。
ルイジアナ生まれのペッパーソース。日本のスーパーでも買える。
ニンニクの効いたとろみのあるチリソース。麺やタコス、卵料理に。
スパイス棚に並ぶ「振るだけ」の定番
日本で紹介されることが少ないのが、こちらの粉ものだ。アメリカの家庭料理の味は、実はかなりの部分がこの棚で決まっている。
ガーリックパウダーとオニオンパウダー
生のニンニクや玉ねぎを刻む代わりに、粉を振る。アメリカのレシピには「ガーリックパウダー小さじ1」が当たり前のように出てくる。ハンバーグのタネ、フライドチキンの衣、ポテトのロースト。どれも粉で香りをつける。
この2つは日本のスーパーにもある。ただ、アメリカの家庭のように毎日使うなら、瓶が小さすぎる。業務用の大袋を通販で買うほうが割安になる。
シーズンドソルト|ロウリーズ
塩にパプリカ、ターメリック、オニオン、ガーリックなどを混ぜたミックス。1938年、ロサンゼルスのローストビーフ店で肉の下味として生まれた。
ステーキ、ポテト、ゆで卵、ポップコーン。塩の代わりに振るだけで、アメリカのダイナーっぽい味になる。日本の「味塩こしょう」の、もう少し派手な版と思えばいい。
日本の店頭で見つけるのは難しい。探すなら通販が確実だ。
肉にもポテトにも使える、アメリカの定番ミックスソルト。
ステーキシーズニング|マコーミック モントリオールステーキ
粗挽きの黒こしょう、塩、ガーリック、コリアンダー、ディル。粒が大きく、焼いたあとも肉の表面に香りが残る。カナダ・モントリオールのデリの味付けが元になったとされ、アメリカでは裏庭のグリルの必需品になっている。
肉に振って焼くだけ。ハンバーガーのパティに混ぜても使える。
粗挽きこしょうとガーリックが効いたステーキ用シーズニング。
クレオールシーズニング|トニーチャチェーレ
ルイジアナの家庭で万能に使われる赤いミックス。塩と赤唐辛子が中心で、ガンボやジャンバラヤ、ザリガニのボイルに入れる。日本で「ケイジャンスパイス」として売られているものと方向は同じだが、こちらは塩が多く、これ1本で味が決まる。
国内メーカーのケイジャンスパイスはスーパーで買える。本場の配合を試したいなら通販で探す。
ルイジアナ定番の万能シーズニング。塩気がしっかりあり、振るだけで味が決まる。
楽天市場で「トニーチャチェーレ クレオールシーズニング」を探す
オールドベイ
1939年にボルチモアで生まれたシーフード用のスパイス。セロリシードとパプリカの香りが特徴で、カニやエビをゆでるときにたっぷり入れる。メリーランド州では、フライドポテトやポップコーンにも振る。
カニやエビに使うメリーランド生まれのシーフード用スパイス。
地域で「定番」が変わる
アメリカは広い。全国どこでも同じものが置いてあるのは、ケチャップとイエローマスタードくらいかもしれない。BBQソースは地域ごとに別物で、カンザスシティでは甘くて濃いトマト味、カロライナでは酢やマスタードがベース、テキサスではソースよりも塩と黒こしょうのラブ(すり込みスパイス)が主役になる。
アメリカ人の友人に「定番の調味料」を聞くと、出身地によって答えが変わる。メリーランドの人はオールドベイ、ルイジアナの人はクレオールシーズニングを挙げるだろう。お土産を選ぶときにも、この地図は役に立つ。
アメリカの定番調味料はどこで買える?
買いやすさで分けると、だいたい3段階になる。
| 買いやすさ | 調味料 | 主な入手先 |
|---|---|---|
| スーパーで買える | ハインツのケチャップ、タバスコ、ガーリックパウダー | 大手スーパー、ドラッグストア |
| 輸入食品店で見かける | シラチャー、イエローマスタード、ケイジャン系スパイス | カルディ、成城石井、コストコなど(店舗による) |
| ほぼ通販のみ | ランチドレッシング、ヘルマンズ、デュークス、ロウリーズ、モントリオールステーキ、クレオールシーズニング、オールドベイ | 楽天市場などの通販 |
店ごとの品揃えの傾向は日本でアメリカ食品が買えるスーパー・専門店まとめに詳しく書いた。輸入食品店の在庫は入れ替わりが早いので、決まった商品がほしいなら通販のほうが確実だ。
→ アジアの調味料から海外ビールまで直輸入で取り扱う通販。アメリカものはスキッピーのピーナッツバターや、ブルームーン・バドワイザーなどのアメリカビールを1本から買える
- 楽天市場
→ ランチドレッシングやシーズニング類など、店頭にない銘柄はここで見つかることが多い。ポイントも貯まる
定番調味料と一緒に揃えたいアメリカの味
調味料がそろったら、合わせる側も用意したい。
朝食の定番、ピーナッツバター。アメリカではトーストに塗るだけでなく、セロリに詰めたり、シラチャーと混ぜて麺のソースにしたりと、半分調味料のような使われ方をしている。

アメリカの家庭の定番ピーナッツバター。なめらかで塗りやすい。
KOKYO MARKET で見る(2,800円) / 楽天市場で「スキッピー ピーナッツバター クリーミー」を探す
手羽揚げやバーガーには、アメリカのビールを。KOKYO MARKET では定番のラガーから白ビールまで、1本単位で選べる。
KOKYO MARKET で買えるおすすめ商品
この記事で紹介した商品の多くは、輸入食品・お酒の通販サイト KOKYO MARKET で購入できます。中国・台湾・韓国・ベトナムの食材から海外のビール・ワインまで、日本ではなかなか手に入らない商品を直輸入で取り扱っています。

ブルームーン 瓶 330ml BLUE MOON アメリカビール 2,100円
ブルックリン ラガー 330ml 瓶 アメリカビール 3,700円
バドワイザー 瓶 330ml ワンウェイ瓶 海外輸入ビール アメリカビール 1,600円
クラフトビールに手を広げたいなら、アメリカのクラフトビールおすすめ9選でスタイルごとに紹介している。
まず1本選ぶなら
アメリカの家庭の味を知りたいなら、ボトルならランチドレッシング、粉ならシーズンドソルトから始めるのがいい。どちらも日本に代わりになる調味料がなく、使い道も広い。ケチャップとタバスコは近所のスーパーで買える。残りは通販で、必要なものから少しずつそろえれば十分だ。



