ジョージアワインとは?オレンジワイン発祥国の魅力と買える場所

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ジョージアは、黒海とカスピ海のあいだ、コーカサス山脈の南にある国だ。日本では2015年まで「グルジア」と呼ばれていた。

ワインの世界では、この国は特別な扱いを受けている。ワイン造りの痕跡がいちばん古い国のひとつで、しかも当時に近いやり方が今も残っているからだ。最近よく見かける「オレンジワイン」も、もとはこの国の伝統的な造り方から来ている。

歴史と造り方をざっと押さえたうえで、品種と産地、日本で手に入る銘柄、買える場所まで順に見ていく。

ジョージアワインとは

ひと言でいえば、ジョージアで造られるワインのことだ。それだけなら他の国と同じだが、次の3つで性格がはっきり分かれる。

  1. 紀元前6000年ごろまでさかのぼる、約8,000年のワイン造りの歴史がある
  2. 「クヴェヴリ」という素焼きの壺を地中に埋めて、ワインを発酵・熟成させる製法が残っている
  3. 500を超える固有のブドウ品種があり、ほかの国ではほぼ見かけない品種で造られている

約8,000年前のワインの痕跡

2017年、首都トビリシの南にある新石器時代の遺跡から出た土器の破片を調べたところ、ブドウのワインに由来する成分が見つかった。年代は紀元前6000年ごろ。ブドウからワインを造っていた証拠としては、今のところ最も古い部類に入る。

ジョージアの人たちが「ワイン発祥の地」と言うのは、この発見が根拠になっている。

壺で造る「クヴェヴリ製法」

ジョージアワインの象徴が、クヴェヴリ(Qvevri)と呼ばれる卵形の素焼きの壺だ。大きいものは数千リットル入る。

芝生の上に横倒しに置かれた素焼きの大きな壺クヴェヴリ2つと、奥に建つ木造の小屋
ワインの発酵・熟成に使うクヴェヴリ。実際は口だけを出して地中に埋める。Photo: Levan Totosashvili / Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

造り方の流れはシンプルだ。

  • 潰したブドウを、果汁・果皮・種・ときには茎ごとクヴェヴリに入れる
  • 壺は「マラニ」と呼ばれる蔵の地面に、口まで埋めてある
  • 発酵が終わったら蓋をして粘土で封をし、数か月寝かせる
  • 春になったら上澄みを汲み出して瓶に詰める

地中は一年を通して温度が安定している。冷蔵設備がない時代でも、発酵の温度を保てた理由がここにある。

この製法は2013年、ユネスコの無形文化遺産に登録された。今ではステンレスタンクで造るワイナリーも多いが、クヴェヴリ製のワインはラベルに「Qvevri」と書かれていることが多い。

オレンジワインはジョージアから始まった

白ブドウを「赤ワインの造り方」で仕込む

オレンジワインは、オレンジの果実から造るワインではない。白ブドウを果皮ごと漬け込んで発酵させたワインのことだ。

ふつうの白ワインは、ブドウを搾った果汁だけを発酵させる。赤ワインは、黒ブドウを果皮ごと漬け込み、皮の色と渋みを引き出す。オレンジワインはその中間で、白ブドウを赤ワインと同じ手順で仕込む。

ブドウの色と果皮の扱いで決まるワインの色 白ブドウと黒ブドウを縦軸、果皮を漬けない場合と果皮ごと発酵させる場合を横軸にした四象限図。白ブドウの果汁だけなら白ワイン、果皮ごとならオレンジワイン。黒ブドウでは果皮との接触がないか短い場合は白ワインやロゼ、果皮ごと発酵させると赤ワインになる。オレンジワインのマスを黄色で強調している。 ワインの色を決める、2つの要素 「ブドウの色」×「果皮と一緒に発酵させるか」 果皮の扱い 果皮を漬けない 果汁だけで発酵 果皮ごと発酵させる ブドウの色 白ブドウ 黒ブドウ 白ワイン 一般的な白ワイン。 渋みはほぼない。 オレンジワイン ジョージアではアンバーワイン 白ブドウ由来の渋みと香り。 白ワイン・ロゼ 果皮との接触がないと白、 触れる時間が短いと淡いロゼに。 赤ワイン 果皮の色と渋みを 引き出しながら発酵。 ジョージアのクヴェヴリ製法 白ブドウを果皮・種ごと、数か月漬け込むことがある。
ワインの色は「ブドウの色」と「果皮ごと発酵させるか」の組み合わせで決まる。白ブドウを果皮ごと発酵させるとオレンジワインになる

果皮に触れている時間が長いほど、液の色は琥珀色に近づく。カヘティ地方の伝統的なクヴェヴリ製法では、白ブドウを果皮・種ごと数か月から半年ほど漬け込むことがある。

「オレンジ」はあとから付いた名前

ジョージアでは昔から、このワインを「アンバー(琥珀色の)ワイン」と呼んできた。「オレンジワイン」という呼び名が広まったのは2000年代に入ってからで、イギリスのワイン輸入業者が2004年ごろに使い始めたのがきっかけとされる。

今はイタリアのフリウリ地方やスロベニア、日本のワイナリーでも造られている。ただ、ジョージアのアンバーワインは「新しい流行」ではない。何千年も続いてきた普通の白ワインの造り方だ。

どんな味がするのか

白ワインと比べると、次のような違いが出る。

  • 果皮由来の渋みがある。赤ワインほど強くはない
  • 香りは干したアンズ、紅茶、ナッツ、ハーブに例えられることが多い
  • 酸味は穏やかなものが多く、後味がしっかり残る

冷やしすぎると渋みが立つ。白ワインより少し高めの、12〜14℃くらいが飲みやすい。冷蔵庫から出して10分ほど置けばちょうどいい。

知っておきたい品種と産地

主なブドウ品種

固有品種は500を超えるが、日本で見かけるのはほぼ次の5つに絞られる。

品種色特徴
ルカツィテリ白ジョージアで最も多く植えられている白。酸がしっかりしていて、アンバーワインにもよく使われる
ムツヴァネ白香りが華やかで、ルカツィテリとブレンドされることが多い
キシ白カヘティ地方の品種。アンバーワインにすると蜂蜜や黄桃のような香りが出る
サペラヴィ黒ジョージアを代表する黒ブドウ。果肉まで赤く、色が非常に濃い
アレクサンドロウリ黒ラチャ地方の品種。中甘口の赤「フヴァンチカラ」に使われる

ラベルに品種名が書いてあれば、とりあえず「ルカツィテリならアンバー寄りの白、サペラヴィなら濃い赤」と覚えておけば外れにくい。品種ごとの味の違いを他国のワインと比べたいなら、ワインのぶどう品種の違いを初心者向けに解説にまとめてある。

産地はカヘティ地方が中心

国の東端にあるカヘティ地方が、ワイン生産量の約7割を占める。日本に入ってくるジョージアワインも、多くはここで造られている。

ジョージアには原産地呼称(ヨーロッパのAOCにあたる制度)が20以上ある。ラベルでよく見る名前は次のとおり。

  • ツィナンダリ:ルカツィテリとムツヴァネで造る辛口の白
  • ムクザニ:サペラヴィで造る辛口の赤。樽で熟成させたものが多い
  • キンズマラウリ:サペラヴィで造る中甘口の赤
  • フヴァンチカラ:ラチャ地方の中甘口の赤

中甘口の赤が定番として並んでいるのは、ジョージアならではだ。甘口といってもデザートワインほど甘くはなく、渋みのある果実味の中にほんのり甘さが残る。

日本で買えるジョージアワイン

価格はヨドバシ.comなど大手通販での実勢価格の目安(2026年10月時点)。店によって上下する。

キンズマラウリ社 アラザニ・ヴァレー 赤(目安1,500〜1,800円)

日本でいちばん手に取りやすいジョージアワインのひとつ。サペラヴィなど黒ブドウを使った中甘口の赤で、果実の甘さが先に来て、渋みは控えめ。ジョージアワインを初めて飲むなら、まずこの価格帯から入るといい。

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キンズマラウリ社 ルカツィテリ クヴェヴリ(目安2,800〜3,000円)

ルカツィテリをクヴェヴリで仕込んだアンバーワイン。同じ生産者の上の1本と並べて飲むと、ステンレスタンクの中甘口とクヴェヴリの辛口で、同じ国のワインとは思えないほど味が違う。

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ツィナンダリ(白・辛口)

原産地呼称の白で、クヴェヴリを使わずに造るものが多い。果皮の渋みが苦手な人は、こちらから試すといい。すっきりした酸で、魚料理にも合わせやすい。

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ムクザニ(赤・辛口)

サペラヴィの辛口。色が黒に近いほど濃く、酸もしっかりある。肉料理に合わせるならこれだ。生産者によって価格の幅が大きいので、最初は2,000円台のものから試すのが無難になる。

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飲み比べセット

どれを選べばいいか決めきれないなら、アンバー・白・赤を組み合わせたセットが早い。1本ずつ買うより、違いが一度に分かる。

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ジョージアワインはどこで買える?

正直なところ、近所のスーパーやコンビニで見つかることはまずない。チリワインやイタリアワインのように棚の一角を占める扱いではないからだ。探す場所は次の3つになる。

ワイン専門店・百貨店のワイン売り場輸入元が直営している専門店や、品揃えの広い百貨店に数本置かれていることがある。店員に聞けば、在庫がなくても取り寄せてもらえる場合がある。

ジョージア料理店都内を中心にジョージア料理の店が増えている。店で飲んで気に入った銘柄を、そのまま売ってもらえる店もある。

通販銘柄を選んで確実に買うなら、通販がいちばん早い。

  • 楽天市場

→ 銘柄数が最も多い。クヴェヴリ製、中甘口の赤、飲み比べセットまで揃い、ポイントも貯まる

  • ヨドバシ.com

→ キンズマラウリ社の銘柄など、定番を何本か扱っている

→ 輸入食品とお酒の通販。ジョージアワインの取り扱いはないが、ベトナムのダラットワインのように、日本ではまだ珍しい産地のワインを扱っている。アジアの食品やおつまみと一緒にまとめて頼める

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ジョージアのように「ワイン産地としてはまだ知られていない国」の1本を探すのが好きなら、ベトナム高原の街ダラットで造られる白も面白い。冷涼な高原の産地で、すっきりした辛口に仕上がっている。

ベトナム産の辛口白ワイン、ダラットワイン白(Vang Đà Lạt Trắng)750mlのボトル
ダラットワイン白 ベトナム産辛口ワイン Vang Đà Lạt Trắng 750ml(KOKYO MARKET)

KOKYO MARKET で買えるおすすめ商品

この記事で紹介した商品の多くは、輸入食品・お酒の通販サイト KOKYO MARKET で購入できます。中国・台湾・韓国・ベトナムの食材から海外のビール・ワインまで、日本ではなかなか手に入らない商品を直輸入で取り扱っています。

自然派のワインを扱う通販サイトはオレンジワインの品揃えが厚い。サイトごとの違いは自然派ワイン(ヴァン・ナチュール)通販おすすめ8選で比べている。送料や品揃えを幅広く比べたいなら輸入ワインが買えるネット通販10選も参考になる。

ジョージアワインに合う料理

ジョージアの食卓は、ニンニク、クルミ、ハーブ、チーズをよく使う。日本でも、牛丼チェーンの松屋が2020年に出した「シュクメルリ」(鶏肉をニンニクとミルクのソースで煮込んだ料理)で知った人は多いはずだ。

  • アンバーワイン → シュクメルリ、チーズを使った料理、焼き鳥の塩、きのこのソテー
  • 辛口の赤(ムクザニなど) → 串焼きの肉、ラム、煮込み料理
  • 中甘口の赤 → 甘辛い味付けの肉料理、すき焼き、ナッツやドライフルーツ

アンバーワインは渋みと旨みがあるので、白ワインでは負けてしまう味の濃い料理とも合う。醤油や味噌を使った和食に合わせやすいのもこのタイプだ。

よくある質問

オレンジワインは全部ジョージア産?

違う。白ブドウを果皮ごと発酵させれば、どの国でも造れる。イタリア、スロベニア、オーストリア、日本などでも造られている。ジョージアは、その造り方が最も古くから続いている国というだけだ。

ジョージアワインの度数は?

ほかの国のワインとほぼ同じで、多くは12〜14%前後。中甘口の赤は発酵を途中で止めるため、やや低めのものもある。

「チャチャ」とは?

ワインを搾ったあとのブドウの搾りかすから造る蒸留酒。度数は40%を超えるものが多く、ジョージアでは食前や乾杯に飲まれる。日本でも輸入されている。

まずは2本を飲み比べてみる

ジョージアワインは、壺で造る古い製法と、ほかでは見ない品種の組み合わせが面白い。オレンジワインの元祖という点ばかりが語られがちだが、中甘口の赤やすっきりした白もある。

最初の1本に迷ったら、ステンレスタンクで造った中甘口の赤と、クヴェヴリで仕込んだアンバーワインを1本ずつ選んでほしい。同じ国のワインでも、造り方ひとつでここまで違うのかと驚くはずだ。

ほかの国のワインにも手を広げたくなったら、国別の海外ワインおすすめ30選で産地ごとの特徴を一覧にしている。

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