池袋で中華食材を買うなら北口。ここまではよく知られている。
迷うのはその先だ。北口を出て5分も歩かないうちに、中国の食材店が4軒ある。どれも雑居ビルの上の階か、看板が簡体字だけの路面店で、外から見て違いは分からない。しかも「海羽」と「海羽日光」という、名前のよく似た別の店まである。
花椒と豆板醤だけ欲しいのか。水餃子を袋ごと買い込みたいのか。夜中にふと中国のお菓子が食べたくなったのか。目的によって入るべき店は変わるので、4軒の違いを整理しておく。
台湾の食材に絞った店選びは池袋にある台湾食品が買える台湾物産店で紹介している。この記事は中国本土の食材を中心に見ていく。
※住所・営業時間は2026年9月時点で、各店の掲載情報や地図サービスを確認したもの。入れ替わりの早いエリアなので、遠方から行くなら出発前に確かめてほしい。
池袋の中華食材店は北口の徒歩5分圏に固まっている
4軒とも住所は西池袋1丁目。JR池袋駅の北口(地下通路なら20a・20b出口)を出て、西口寄りのロマンス通りまでの一帯に収まっている。
この辺りに中国出身の人が集まり始めたのは1990年代のはじめだ。1991年に中国食材店の「知音」と「陽光城」が北口に店を開き、同郷の人向けの店が少しずつ増えた。知音は2009年に閉じたが、その流れを継ぐ形で友誼商店が育ち、2022年には上野アメ横の海羽が池袋にも出てきた。
いまは食材店と中華フードコートと料理店が、同じ数ブロックに混ざっている。食べた帰りに材料を買う、という動き方ができる街は都内でも少ない。
池袋北口の中華食材スーパー4店
友誼商店(ゆうぎしょうてん)
豊島区西池袋1-28-6 大和産業ビル4F。北口から歩いて1分かからない。営業は10:00〜24:00(7:30開店とする掲載もある)。電話は03-5950-3588。
雑居ビルの4階まで階段を上がる。この階段が急なので、重い買い物をする日は覚悟がいる。
上がってしまえば、中は普通のスーパーに近い。通路が広く、野菜、果物、鮮魚、冷凍の羊肉、冷凍餃子、カップ麺、菓子、お茶、お酒と、ジャンルごとに棚が分かれている。4軒の中で「ここだけで一通り揃う」に最も近いのがこの店だ。
調味料の棚は特に厚い。中国醤油、郫県(ピー県)豆板醤、花椒油、干し唐辛子、茴香、孜然(クミン)あたりは種類違いで並ぶ。乾燥サンザシや黒いクコの実のような、薬膳寄りの乾物もある。
同じフロアに中華フードコートの「友誼食府」が入っている。麻辣湯や鴨の首の煮込みなど、地方の屋台料理が食べられる。フードコートは現金が使えず、専用のICカードで払う仕組みなので注意したい。売り場のほうはPayPayで払えたという2024年の利用者の記録がある。

陽光城(ようこうじょう)
豊島区西池袋1-25-2 カイダ第6ビル1F。北口から徒歩1分ほどの路面店で、赤い外観が目印になる。24時間営業・年中無休。電話は03-5960-9188。
1991年から続く、池袋の中国食材店の草分けだ。階段を上がらずに入れるので、4軒の中では一番気軽に覗ける。
売り場は友誼商店ほど広くない。そのぶん、中国のお菓子、飲み物、インスタント麺、定番の調味料といった「日常の買い物」がぎゅっと詰まっている。ホワイトラビットの名前で知られるミルクキャンディ「大白兎」のような、中国の人なら誰でも知っている駄菓子もここで見つかる。
値札も商品名も中国語がほとんどで、日本語の説明はあまり期待できない。欲しいものの中国語名(花椒なら「花椒」、クミンなら「孜然」)をメモしていくと探しやすい。
飲んだ帰りや、夜勤明けの早朝でも開いている。これが陽光城の一番の強みだ。
海羽 池袋店(かいば)
豊島区西池袋1-29-2 地得ビル2F。北口から徒歩2分ほど。2022年11月に開いた、4軒の中では新しい店だ。営業は10:00〜23:00で定休日なし。
上野のアメ横にもある中国物産店の池袋店になる。1階には店がなく、階段で2階に上がる。
冷凍食品の厚さが目立つ。水餃子は種類も量も多く、業務用の大袋まで並ぶ。中国の朝ごはんの定番、揚げパンの油条(ヨウティアオ)も冷凍で買える。肉と魚の生鮮、麺類、ラー油や豆豉醤のような調味料、中国の地方ビールや白酒もひととおり揃っている。
水餃子を冷凍庫いっぱいに買い込みたい日は、ここから回ると早い。
海羽日光 池袋店(かいばにっこう)
豊島区西池袋1-37-2 竜崎ビル2〜4F。西口から歩いて3分ほど、ロマンス通りの路地沿いにある。営業は11:00〜22:00(掲載によって閉店時間が異なる)。電話は03-3988-0575。
以前は「日光亜細亜食品」という名前だった店で、上の海羽 池袋店とは別の店になる。地図アプリで「海羽」と検索すると両方出てくるので、行きたいほうの住所を確かめてから向かいたい。
2階から4階までの3フロアに、調味料、加工品、冷凍食品、中国酒が並ぶ。中国本土だけでなく台湾の食材も扱っていて、台湾のお菓子やビーフンもここで買える。中国と台湾の食材を1軒で済ませたいときに向く。

買いたいもので店を選ぶ
4軒とも「中華食材なら何でもある」店だが、厚い棚はそれぞれ違う。
- 肉・魚・野菜まで一度に揃えたい → 友誼商店。生鮮を見てから海羽 池袋店へ
- 水餃子や点心を大量に → 海羽 池袋店
- 花椒・孜然・豆板醤などの調味料 → 友誼商店。どの店にも定番はある
- 中国と台湾の食材をまとめて → 海羽日光 池袋店
- お菓子と飲み物、夜中の買い物 → 陽光城
迷ったら、まず友誼商店に上がる。ここで見つからなかったものを海羽 池袋店で探し、帰りに陽光城でお菓子を買う。3軒とも北口から徒歩2分以内なので、30分あれば回れる。
営業時間と回る順番
横浜中華街の食材店は夕方に閉まるところが多いが、池袋は夜が長い。22時を過ぎても開いているのが3軒、24時を過ぎても開いているのは陽光城だけになる。
仕事帰りに寄るなら、20時台に友誼商店と海羽 池袋店を回るのが無理のない順番だ。
冷凍品は最後に買う。夏場は駅まで歩くあいだにも水餃子が柔らかくなり始めるので、保冷バッグを1枚持っていくと安心できる。階段の店が多いぶん、重い瓶と冷凍品を最初に抱えてしまうと、次の店の階段がつらい。
池袋の中華食材店で買う前に知っておきたいこと
表記はほぼ中国語。 商品名も値札も簡体字が中心だ。調味料は中国語名で覚えておくと早い。花椒は「花椒」、クミンは「孜然」、八角は「八角」、黒酢は「香醋」。
賞味期限は日付の書き方が違う。 輸入品には日本語の表示ラベルが貼ってあることが多いが、パッケージ本体の「生产日期」は製造日、「保质期」は日数での賞味期間を指す。製造日から数えて確かめる。
支払い方法は店ごとに違う。 クレジットカード、PayPay、中国のスマホ決済と、店によって使えるものが違う。確実なのは現金なので、少し持っておくと困らない。
スーパーの中華コーナーとは別物。 日本のスーパーで売っている中華調味料は、日本人の口に合わせたものが多い。池袋の店に並ぶのは中国の家庭で使うものそのままなので、辛さも塩気も強めのものがある。初めての調味料は小さいサイズから試したい。
買い物のついでに食べるなら
友誼商店の同じフロアの「友誼食府」のほか、北口には「沸騰小吃城」「食府書苑」といった中華フードコートが集まっている。地方の麺や串焼きを1品ずつ頼めるので、買い物の前に腹ごしらえをしておくと、棚の前で「これは何に使うのか」が分かりやすくなる。
料理店を選ぶなら、地方ごとに8店を比べた池袋のガチ中華おすすめ8選が参考になる。ガチ中華という言葉そのものは「ガチ中華」とは?人気店8選と中国八大料理で紹介している。
池袋まで行けないときの中華食材の買い方
池袋の棚に並んでいる定番の多くは、通販でも手に入る。重い瓶や1kgの豆板醤を持って階段を下りなくていいぶん、調味料はむしろ通販のほうが楽かもしれない。
→ 中国・台湾・韓国の食品とお酒を直輸入で扱う通販サイト。老干媽のラー油、鎮江香酢、郫県豆板醤、海底撈の火鍋の素、青島ビール、二鍋頭まで、池袋の食材店でよく見る顔ぶれがそろう。まとめ買いの送料が安い
- 楽天市場
→ 冷凍の点心や、大袋のスパイスは選択肢が広い。楽天ポイントが貯まる
池袋の中華食材店でよく見かける定番を、ジャンルごとに挙げておく。
調味料

四川省ピー県の豆板醤。そら豆を長く発酵させたもので、麻婆豆腐や回鍋肉の味の土台になる。1kgの業務用サイズ。
KOKYO MARKET で見る(1,200円) / 楽天市場で「中国丹丹 脾県豆板醤 ピーシェン トウバンジャン 1kg」を探す

中国の食卓でおなじみのピーナッツ入りラー油。辛さより香ばしさが先に来るので、ご飯や冷奴にそのまま乗せても成り立つ。
KOKYO MARKET で見る(900円) / 楽天市場で「老干媽 油辣椒(ユラージャオ)275g」を探す

江蘇省鎮江の黒酢。まろやかな酸味で、水餃子や小籠包のつけだれにするとお店の味に近づく。
KOKYO MARKET で見る(1,300円) / 楽天市場で「恒順金山 鎮江香酢・中国黒酢(ちんこうず)550ml」を探す

孜然(クミン)と唐辛子を合わせた粉末。焼いた羊肉や鶏肉にふるだけで、北口の串焼きの味になる。
KOKYO MARKET で見る(730円) / 楽天市場で「海底撈スパイシークミン バーベキュー用粉末調味料 海底撈 香辣孜然焼考料 40g」を探す

豆腐を発酵させた紅い腐乳。お粥に添えたり、空心菜の炒め物に溶かして使う。
KOKYO MARKET で見る(420円) / 楽天市場で「王致和 大塊紅腐乳 340g」を探す
調味料の選び方は中国で人気の調味料14選、老干媽の種類の違いは老干媽ラー油シリーズの食べ比べにまとめてある。
火鍋・麺・冷凍

火鍋チェーン海底撈の麻辣スープの素。3〜5人前で、家の鍋でも花椒のしびれがはっきり出る。
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火鍋や麻辣湯に入れる太い春雨。水で戻さずにそのまま鍋に入れられる。
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皮の厚いもちもちの水餃子。600gあるので、黒酢とラー油のたれで何回かに分けて食べられる。
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乾燥の棒ゆば。水で戻して火鍋に入れたり、きゅうりと和えて冷菜にする。
KOKYO MARKET で見る(500円) / 楽天市場で「東永 腐竹(棒ゆば) 200g」を探す
火鍋の素をほかにも比べたいときは中国産の火鍋の素10選、冷凍食品は中国産の冷凍食品が買えるネット通販10選が詳しい。
お酒・飲み物・お菓子

中国本土の定番ビール。軽めのラガーで、油の多い料理や辛い鍋と合わせやすい。
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北京の庶民的な白酒。56度と強いので、少量をショットで飲むのが基本になる。
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5年熟成の紹興酒。クセが少なく、中華料理に合わせる最初の1本に向いている。
KOKYO MARKET で見る(1,200円) / 楽天市場で「女児紅 5年 紹興酒 16度 500ml」を探す

中国の火鍋店で必ず見かける涼茶。ハーブの風味で、甘さは控えめ。
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中国で定番のひまわりの種のおやつ。殻を歯で割って中身を食べる。
KOKYO MARKET で見る(2,030円) / 楽天市場で「洽洽 原味香瓜子 チャチャ食用ひまわりの種 260g」を探す
白酒の種類と飲み方は白酒の飲み方とおすすめで紹介している。
生鮮の魚や野菜、冷凍の羊肉は自社では扱っていない。池袋に行けない場合は、楽天の中華食材の専門店で探すことになる。
池袋以外の店も比べたいなら、東京で中国食品・食材が買えるスーパー・中国物産店10選に上野や新大久保の店をまとめている。
買うものを決めてから北口へ
池袋の中華食材店は、4軒とも駅から近い。近いぶん、なんとなく1軒に入って、見慣れない棚に圧倒されて帰ってくることになりやすい。
生鮮まで揃えるなら友誼商店。水餃子なら海羽 池袋店。台湾の食材も一緒なら海羽日光。夜中なら陽光城。
欲しいものを2つか3つ、中国語の名前でメモしておく。それだけで、あの階段を上る価値のある買い物になる。



