ラム酒の棚の前で迷う理由は、だいたい2つです。ホワイト、ゴールド、ダークと色が3つあって、どれが自分向きかわからない。そして、同じ「ラム」なのに値段が5倍くらい違う。
先に答えを書いておきます。最初の1本は、色ではなく「割って飲むか、そのまま飲むか」で決めます。 割るならホワイトラム、そのまま香りを楽しむなら熟成したダークラム。この順で選べば、大きく外すことはありません。
ここでは、日本で手に入る15銘柄をその基準で並べ、割り方の分量と買える場所までまとめました。
ラム酒はサトウキビから造る蒸留酒
ラムの原料はサトウキビです。ここは全部の銘柄で共通しています。
違いが出るのは、サトウキビの「どの部分」を使うか。砂糖を取ったあとに残る黒い糖蜜(モラセス)を発酵させるのが主流で、世界のラムの大半はこちらです。搾ったばかりのしぼり汁から直接造るものは「アグリコール」と呼ばれ、フランス領のカリブの島々で多く造られています。
もう1つの軸が、造り方の系統です。カリブ海の島々は、かつてどの国の植民地だったかでラムの作風が分かれました。
| 系統 | 主な産地 | 味の方向 |
|---|---|---|
| スペイン系 | キューバ、プエルトリコ、パナマなど | 連続式蒸留で軽く、すっきり |
| イギリス系 | ジャマイカ、バルバドスなど | 単式蒸留を使い、香りが濃く重い |
| フランス系 | マルティニーク、グアドループなど | しぼり汁が原料。草のような青い香り |
色はこの上に乗る話です。樽で寝かせる期間が短いか、ろ過で色を抜いたものがホワイト。数年寝かせるとゴールドになり、長期熟成やカラメルで色を整えたものがダークと呼ばれます。
EUの規則(Regulation (EU) 2019/787)では、ラムの度数は37.5%以上。味を丸めるための甘味の添加が1Lあたり20gまで認められています。飲んで甘いと感じるラムは、樽由来の甘さなのか、足した甘さなのか、ラベルだけではわからないことが多い。これは覚えておいて損はありません。
初心者がラム酒を選ぶときの基準
割るか、そのまま飲むか
ホワイトラムは香りが軽く、ソーダやライムの邪魔をしません。モヒートもダイキリも、ホワイトで作るのが基本です。
逆に、2,000円前後のホワイトをストレートで飲むと、アルコールの刺激が先に来ます。そのまま飲みたいなら、最初から熟成したダークを選んだほうが満足度は高い。
度数は40度を基準にする
ほとんどの銘柄は40度前後に収まっています。スパイスドラムには35度のものもあり、飲み口はさらに柔らかい。
注意したいのは、75度を超える高度数のラムが同じ棚に並んでいることです。ロンリコ151は75.5度で、お菓子作りやフランベに使う前提の酒。知らずに買ってソーダ割りにすると、同じ分量でも倍近いアルコールを飲むことになります。
甘さが欲しいならスパイスドかダーク
「ラムは甘い酒」というイメージで買ったのに、ホワイトを飲んで拍子抜けする人は多いはずです。甘い香りを求めるなら、バニラで香りづけしたスパイスドか、樽の香りが乗ったダークを選びます。
初心者におすすめのラム酒15銘柄の一覧
| 銘柄 | 産地 | 分類 | 度数 | 向く飲み方 |
|---|---|---|---|---|
| バカルディ スペリオール | プエルトリコ | ホワイト | 40度 | ソーダ割り、モヒート |
| ハバナクラブ 3年 | キューバ | ホワイト | 40度 | モヒート、ダイキリ |
| ロンリコ ホワイト | プエルトリコ | ホワイト | 40度 | ソーダ割り、ラムコーク |
| プランテレイ 3スターズ | バルバドス他 | ホワイト | 41.2度 | ダイキリ |
| バカルディ ゴールド | プエルトリコ | ゴールド | 40度 | ラムコーク、ジンジャー |
| キャプテンモルガン スパイスド ゴールド | — | スパイスド | 35度 | コーラ割り |
| セイラージェリー スパイスド | — | スパイスド | 40度 | ジンジャー割り |
| マイヤーズ ラム オリジナルダーク | ジャマイカ | ダーク | 40度 | ミルク割り、紅茶 |
| ハバナクラブ 7年 | キューバ | ダーク | 40度 | ロック |
| バカルディ エイト | プエルトリコ | ダーク | 40度 | ロック、ハイボール |
| ロン サカパ 23 | グアテマラ | ダーク | 40度 | ストレート |
| ディプロマティコ レゼルヴァ エクスクルーシバ | ベネズエラ | ダーク | 40度 | ストレート |
| マウントゲイ XO | バルバドス | ダーク | 43度 | ロック |
| トロワリビエール ブラン | マルティニーク | アグリコール | 50度 | ソーダ割り、ティ・パンチ |
| コルコル | 日本(南大東島) | ホワイト | 40度 | ロック、ソーダ割り |
ホワイトラム:割って飲むならここから
バカルディ スペリオール

プエルトリコ産のホワイトラム。40度。香りが軽く、ソーダやライムを足しても味がぶつからない。
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コウモリのマークでおなじみの銘柄です。多くのバーの棚にあるので、カクテルのレシピを見て「ホワイトラム」と書かれていたら、まずこれを想定しておけば問題ありません。
炭で濾過して仕上げているので、雑味がほとんど残らない。ラムらしさを感じにくいという声もありますが、割り材の味を活かす1本と考えると筋が通ります。
ハバナクラブ 3年

キューバ産のホワイトラム。40度。3年熟成させたあと、ろ過で色を薄くしている。
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キューバのラムです。モヒートとダイキリはどちらもキューバで生まれたカクテルなので、本来の味に寄せたいならこれを使います。
バカルディより、わずかにサトウキビの甘い香りが残る。ライムとミントを合わせると、その差がわかります。
ロンリコ ホワイト

プエルトリコ産。40度。癖が少なく、手頃な価格で量を使うカクテルに向く。
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ホームパーティーでラムコークを何杯も作るときに便利な1本。味の方向はバカルディ スペリオールに近く、軽くてドライです。
同じシリーズに75.5度の「151」があるので、買うときはラベルの数字を確認してください。
プランテレイ 3スターズ
バルバドス・ジャマイカ・トリニダードのラムをブレンドしたホワイト。41.2度。
2024年に「プランテーション」から名前が変わった銘柄です。旧ラベルの在庫もまだ流通しています。
3つの産地の原酒を混ぜていて、ジャマイカ由来のバナナのような香りがほんの少し乗る。軽いだけのホワイトに物足りなさを感じたら、次はこれです。ダイキリにすると違いが出やすい。
ゴールド・スパイスド:コーラやジンジャーに
バカルディ ゴールド

樽で熟成させたゴールドラム。40度。スペリオールよりバニラとカラメルの香りがある。
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スペリオールより樽の色と香りを乗せたもの、と考えるとわかりやすい。コーラと合わせるとカラメルの香りが重なって、ホワイトで作るより味に厚みが出ます。
キャプテンモルガン スパイスド ゴールド

バニラとスパイスで香りづけしたラム。35度で、甘い香りがはっきり出る。
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ラムに甘い香りを期待している人には、これが一番イメージに近いはずです。
度数が35度と低めで、バニラの香りが最初に来る。コーラで割ると、それだけでデザートのような1杯になります。ストレートだと甘さが残るので、割って飲む前提で。
セイラージェリー スパイスド

バニラとシナモン系のスパイスを効かせたラム。40度。
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アメリカのタトゥー彫師の名前を冠した銘柄で、ボトルにもその絵柄が使われています。
キャプテンモルガンと比べると甘さは控えめで、スパイスの輪郭が立っている。40度あるので、ジンジャーエールで割っても味が薄まりません。
ダークラム:香りとコクを楽しむ
マイヤーズ ラム オリジナルダーク

ジャマイカ産のダークラム。40度。黒糖のような濃い香りで、製菓用としても使われる。
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ラムレーズンやパウンドケーキの香りを思い浮かべると、それがほぼこのラムの味です。実際に製菓材料として置いている店も多い。
ストレートには向きません。牛乳で割るか、紅茶に小さじ1杯落とす。これで香りが一気に立ちます。
ハバナクラブ 7年

キューバ産。7年熟成で40度。カカオやタバコの葉を思わせる乾いた香り。
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同じハバナクラブでも、3年とは別の酒です。甘さは強くなく、乾いた樽の香りが中心。
熟成ラムの入口として選びやすいのは、この価格帯でロックに耐えるからです。大きめの氷を1つ入れて、溶けていく途中の味の変化を追ってみてください。
バカルディ エイト

8年以上熟成させたプエルトリコのラム。40度。
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8年以上熟成させた原酒を使った、バカルディの上位銘柄です。
スペイン系らしい軽さが残っているので、熟成ラムなのに重たくない。ソーダで割ったハイボールにしても香りが消えず、食事にも合わせられます。
ロン サカパ 23

グアテマラ産。6〜23年の原酒をソレラで重ねた熟成ラム。40度。
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5,000円を超える価格帯で、ラムをそのまま飲む人の間ではよく名前が挙がる1本です。
「23」は23年熟成という意味ではありません。6年から23年までの原酒を、シェリーのソレラと同じように樽を移しながら混ぜていく造り方をしています。原料も糖蜜ではなく、サトウキビのしぼり汁を煮詰めた「バージンシュガーケーンハニー」。熟成は標高2,300mの高地で行われています。
ドライフルーツとチョコレートを思わせる香り。ストレートで少しずつ飲むのが向いています。
ディプロマティコ レゼルヴァ エクスクルーシバ
ベネズエラ産の熟成ラム。40度。甘さがはっきりしていて、食後酒向き。
楽天市場で「ディプロマティコ レゼルヴァ エクスクルーシバ」を探す
ラムの中でも甘さがはっきり感じられる1本で、口に含むとオレンジピールとキャラメルが広がります。
甘さが先に来るので、ストレートに慣れていない人でも入りやすい。デザートの代わりに、小さなグラスで。
マウントゲイ XO

バルバドス産の熟成ラム。43度。バナナやバニラの香りと、ドライな後味。
KOKYO MARKET で見る(2,500円) / 楽天市場で「マウントゲイ XO」を探す
バルバドスの蒸留所で、ラベルに1703年の年号を掲げているブランドです。
サカパやディプロマティコが甘さで印象を残すのに対して、こちらは後味が乾いている。甘いラムが続くと飽きる、という人に向きます。43度あるので、ロックにして氷で少し緩めるくらいがちょうどいい。
個性派:アグリコールと日本のラム

トロワリビエール ブラン

マルティニーク産のアグリコールラム。50度。サトウキビのしぼり汁から造る。
KOKYO MARKET で見る(4,500円) / 楽天市場で「トロワリビエール ラム ブラン」を探す
ここまでの14本とは別の酒だと思って飲んでください。
マルティニークのアグリコールは、原産地呼称(AOC)で造り方が細かく決められています。搾りたての汁を使うので、刈ったばかりの草や青いバナナのような香りがする。50度あるので、ストレートは強すぎます。
現地ではライムと砂糖だけを合わせる「ティ・パンチ」で飲むのが一般的です。日本で試すなら、ソーダで割るのが手軽。
コルコル

沖縄・南大東島のサトウキビで造る日本のラム。40度。
KOKYO MARKET で見る(4,500円) / 楽天市場で「コルコル ラム 南大東島」を探す
沖縄本島から東へ約360km、南大東島の蒸留所が造っているラムです。糖蜜から造るものと、しぼり汁から造るアグリコールの2種類があります。
島のサトウキビだけで造る国産のラムはまだ少なく、酒販店で見かけることも多くありません。通販で探すのが確実です。
ラム酒のおいしい割り方
分量は1杯あたりの目安です。ラム30mlに対して割り材90ml、つまり1対3から始めると、度数はおよそ10%になります。缶チューハイの強めのものと同じくらい。
ラムソーダ
ホワイトラム30mlに炭酸水90ml。ライムを搾ると香りが締まります。いちばん失敗が少なく、ラムの銘柄ごとの違いもわかりやすい。
ラムコーク(キューバ・リブレ)
ラム30mlにコーラ90ml、ライムを1切れ。ゴールドやスパイスドで作ると、コーラのカラメル感と重なって甘い香りが増します。

ラムジンジャー
ラム30mlにジンジャーエール90ml。スパイスドとの相性が特にいい組み合わせです。辛口のジンジャーエールを使うと甘さが抑えられる。
モヒート
グラスにミントの葉10枚ほど、ライム果汁15ml、シロップ10mlを入れて軽く潰します。氷を詰めてホワイトラム45ml、ソーダ60ml。ミントは潰しすぎると苦味が出るので、香りが立ったら止める。
ダイキリ
ホワイトラム45ml、ライム果汁15ml、シロップ10mlをシェイク。材料が3つしかないので、ラムの差がそのまま出ます。
ミルク割り・紅茶割り
ダークラム30mlに牛乳90ml。冬は温めた紅茶に10mlほど落とすだけでもいい。マイヤーズのような香りの強いラムが向いています。
ロック・ストレート
熟成ラムはこれで。30mlを小さめのグラスに注ぎ、ロックなら大きな氷を1つ。水を数滴たらすと香りが開く銘柄もあります。
チーズやナッツ、チョコレートと合わせるなら、輸入おつまみおすすめ20選で組み合わせを探せます。
ラム酒は日本のどこで買えるか
置いてある銘柄は、店の種類でかなり差があります。
スーパー
バカルディ スペリオール、マイヤーズ、キャプテンモルガンあたりまで。製菓コーナーにマイヤーズの小瓶が置かれていることもあります。
酒販店
大型の酒販店なら、ハバナクラブ、ロンリコ、バカルディ エイト、ロン サカパまで揃うことが多い。アグリコールや国産ラムは、専門店でもない限りほぼ見かけません。
通販
アグリコール、コルコル、旧ラベルのプランテーションのように店頭で探しにくいものは、通販のほうが早く見つかります。重い瓶を持ち帰らなくて済むのも大きい。
→ バカルディ スペリオールのほか、中国の白酒、台湾の高粱酒、メキシコやオランダの輸入ビールまで直輸入で取り扱い。ラムと一緒にアジアの酒やビールもまとめて頼める
- 楽天市場
→ ラムの銘柄数はここが多い。熟成ラムの小瓶や飲み比べセットも見つかる
通販サイトごとの送料や品揃えは輸入酒が買えるネット通販10選で比較しています。ラム以外の蒸留酒も試したいなら、ジンの種類一覧やテキーラの種類と違いも同じ形でまとめました。
現地や免税店で買う
カリブ海やハワイ、グアムの旅行先では、日本に入ってきていない地元のラムに出会えます。持ち帰れる本数と免税の条件は海外のお酒はお土産で持ち帰れる?を確認してから買うと安心です。
開けたあとの保存
ラムは蒸留酒なので、未開封なら賞味期限の表示はありません。
開封後も数年は飲めます。ただ、キャプテンモルガンのようなスパイスドや甘さのある熟成ラムは、香りのほうが先に抜けていく。半年から1年で飲み切るくらいのペースが目安です。
キャップをしっかり締め、瓶は立てて置く。直射日光と、コンロ周りのような暖かい場所は避けてください。
ほかの国の酒にも手を広げたくなったら、【国別】海外のお酒おすすめ30選から次の1本を探してみてください。



