インドネシアの食堂で「お茶」を頼むと、まず甘い。氷の入ったグラスに、砂糖をしっかり溶かした紅茶が出てくる。エス・テ・マニス(甘いアイスティー)と呼ばれる、いちばん普通の飲み物だ。
コンビニの棚も同じで、瓶やパックのお茶はほぼ全部に砂糖が入っている。無糖のお茶を探すほうが難しい。
現地のドリンクを紹介する記事はたくさんあるが、読み終わったあとに「で、日本では飲めるの?」となるものが多い。ここでは、日本の通販でそのまま買えるものと、材料をそろえれば家で作れるものだけを選んだ。テタリやエスチェンドルのような屋台の飲み物も、材料は日本で手に入る。
インドネシアのドリンクは4つに分けると選びやすい
10種類を「お茶か、コーヒー・その他か」「買ってすぐ飲めるか、家で作るか」で並べると、こうなる。
左上の瓶・パックのお茶がいちばん手軽で、届いたら冷やすだけでいい。初めてなら、ここから1本選ぶのがおすすめだ。
下半分は少し手間がかかるぶん、屋台の味にかなり近づける。
買ってすぐ飲めるお茶(1〜4位)
インドネシアのボトル茶の多くは、紅茶ではなくジャスミンティーがベースになっている。ジャワ島では、茶葉にジャスミンの花の香りを移した「テ・ムラティ」が昔からの普通のお茶だからだ。日本の中華料理店で出るジャスミン茶より、香りが甘く、色は紅茶に近い。
1位 テボトル・ソスロ(Teh Botol Sosro)

甘いジャスミンティー。インドネシアで半世紀以上売られている瓶入りのお茶の定番。
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インドネシアの人にとって、お茶といえばまずこれ。
ソスロ社が瓶入りのお茶を売り出したのは1970年前後で、ボトル茶の草分けになった。「何を食べても、飲むのはテボトル・ソスロ」というテレビCMのコピーは、今でも誰でも口ずさめる。
甘さははっきりしている。ただ、ジャスミンの香りと茶葉の渋みが残っているので、ジュースのようにはならない。ナシゴレンやサテのような甘辛くて油っぽい料理と合わせると、この甘さの理由がわかる。
よく冷やして飲みたい。
2位 テ・プチュック・ハルム(Teh Pucuk Harum)

茶葉の若い芽を使ったと打ち出している甘いジャスミンティー。テボトルより軽い。
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「プチュック」は新芽、「ハルム」は香りがよいという意味。お菓子のコピコでも知られる大手メーカー、マヨラ(Mayora)のお茶だ。
2010年代に出た比較的新しい商品だが、今ではコンビニでテボトルと並んで棚の主役になっている。現地の調査会社の購買データでも、よく買われるボトル茶としてテボトルと並んで上位に名前が出てくる。
テボトルと飲み比べると違いがわかりやすい。こちらのほうが甘さが軽く、後味がすっきりしている。甘いお茶に慣れていない人には、こちらのほうが入りやすい。
3位 テ・コタク(Teh Kotak)

紙パック入りの甘いジャスミンティー。ストロー付きで持ち歩きやすい。
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「コタク」は箱。その名のとおり紙パック入りで、乳製品メーカーのウルトラジャヤ(Ultrajaya)が作っている。
ストローを刺して飲む形なので、通学や移動のお供として現地の子どもにもなじみがある。味は1位と2位の間くらいで、香ばしさが少し強い。
瓶が割れる心配がないので、お弁当と一緒に持っていくならこれ。
4位 ヌー グリーンティー ハニー(Nu Green Tea Madu)

はちみつで甘みを付けた緑茶。インドネシアで「甘い緑茶」の定番。
KOKYO MARKET で見る(3,000円) / 楽天市場で「Nu Green Tea Madu 330ml」を探す
ジャスミン以外も試したいなら、甘い緑茶。
「マドゥ」ははちみつのこと。緑茶にはちみつの甘さが乗っていて、日本の緑茶を知っている人ほど最初の一口で驚く。慣れると、これはこれで「緑茶味の飲み物」としておいしい。
お土産話のネタにもなる1本だ。
コーヒーとビール(5〜7位)
インドネシアは世界有数のコーヒー産地だが、街でよく飲まれているのは豆から淹れるコーヒーより、粉末を溶かす甘いコーヒーのほうだ。ワルン(屋台のような小さな店)の軒先には、1杯分ずつの小袋がのれんのように吊るされている。
5位 グッデイ(Good Day)

コーヒー・砂糖・クリーマーが1袋に入ったミックス。お湯に溶かすだけ。
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その小袋コーヒーの代表がグッデイ。老舗コーヒーブランドのカパル・アピ(Kapal Api)グループが出している。
ミルクと砂糖が入った甘いコーヒーで、香りがやわらかい。お湯で溶かしてもいいし、少なめのお湯で濃く溶かしてから氷を入れると、現地のアイスコーヒーに近くなる。
バニララテ味は、香りがさらに甘い。

バニラの香りを付けたグッデイ。デザート感覚で飲める。
KOKYO MARKET で見る(10,100円) / 楽天市場で「GOOD DAY 3in1 バニララテ 10袋」を探す
インスタントの甘いコーヒーは、隣のマレーシアにも「ホワイトコーヒー」という文化がある。違いはマレーシアのホワイトコーヒーとはで比べている。
6位 コピコ 78℃(Kopiko 78°C)
コーヒーキャンディのコピコで知られるマヨラのボトルコーヒー。甘いカフェラテ。
コーヒーキャンディの「コピコ」を、そのまま飲み物にしたようなボトルコーヒー。
ミルクたっぷりで甘く、苦みは控えめ。インドネシアのコンビニでは冷蔵棚の定番で、2位のテ・プチュック・ハルムと同じマヨラの商品だ。
日本ではKOKYO MARKETに扱いがないので、楽天で探すことになる。
7位 ビンタン・ビール/バリハイ(Bintang / Bali Hai)
インドネシアでいちばん見かけるビール。軽いピルスナーで、赤い星のラベルが目印。
お酒も1つだけ入れておく。インドネシアは国民の多くがイスラム教徒なのでお酒を飲まない人も多いが、バリ島やジャカルタの飲食店ではビールが普通に出てくる。
いちばん有名なのはビンタン。「ビンタン」は星という意味で、赤い星のラベルはバリ土産のTシャツでもおなじみだ。軽くて苦みが少なく、暑い日にごくごく飲むためのビールといえる。
KOKYO MARKETでは、同じインドネシアのバリハイを扱っている。

インドネシアのラガービール。ビンタンより少しコクがある。
KOKYO MARKET で見る(4,200円) / 楽天市場で「バリハイ ビール 5% 330ml」を探す
家で作る屋台のドリンク(8〜10位)
ここからは、日本では完成品がほとんど売られていないもの。そのかわり、材料はKOKYO MARKETと楽天でそろう。
8位 エスチェンドル(Es Cendol)

ヤシの樹液を煮詰めた砂糖。エスチェンドルのシロップに使う。
KOKYO MARKET で見る(2,200円) / 楽天市場で「Sariraya パームシュガー 300g」を探す
エスチェンドルは、飲み物とデザートのあいだにいる一杯だ。
グラスの底に黒糖色のヤシ砂糖のシロップ、その上に緑色の細長いゼリー(これがチェンドル)、砕いた氷、最後にココナッツミルクを注ぐ。スプーンとストローの両方が刺さって出てくる。ジャワ島では「エス・ダウェット」とも呼ばれ、西ジャワのバンドンは名物の店が多い。
構成を図にするとこうなる。
チェンドルは、米粉とタピオカ粉を水で溶き、パンダンの葉の汁で緑色と香りを付けて、鍋で練りながら火を通す。とろりと透明感が出てきたら、穴の開いたお玉や絞り袋で冷水に落とすと、細長い粒になる。
難しく見えるが、要はわらび餅を作る手順に近い。

チェンドルの生地に使う米粉。
KOKYO MARKET で見る(9,700円) / 楽天市場で「Sariraya 米粉 500g」を探す

米粉に混ぜると、チェンドルにもちっとした弾力が出る。
KOKYO MARKET で見る(9,100円) / 楽天市場で「Sariraya タピオカ粉 500g」を探す

「東洋のバニラ」と呼ばれる香りの葉。チェンドルの色と香りを付ける。
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パンダンの葉を用意するのが面倒なら、パンダンエッセンスで代わりになる。シロップはパームシュガーを同量くらいの水で煮溶かすだけ。黒糖よりコクが丸く、ココナッツミルクとよく合う。
9位 テタリ(Teh Tarik)

インドネシアで家庭の定番になっている紅茶のティーバッグ。テタリのベースに。
KOKYO MARKET で見る(12,500円) / 楽天市場で「Sariwangi 紅茶 25袋」を探す
テタリ(テ・タリッ)は「引っ張る紅茶」。濃く煮出した紅茶に練乳を加え、2つの容器のあいだを高い位置から行き来させて泡立てる。腕を大きく伸ばして注ぐ様子が、紅茶を引っ張っているように見えるのが名前の由来だ。
もとはマレーシアやシンガポールの飲み物で、インドネシアではマレー系の文化が濃いスマトラ島のメダンやアチェでよく飲まれている。最近はジャカルタのカフェにも普通にメニューがある。
家で作るなら、ティーバッグ2〜3個を少なめのお湯で濃く出し、練乳を大さじ2ほど溶かす。あとはマグカップ2つで数回行き来させるだけ。高く上げるほど泡がきめ細かくなるが、最初はシンクの上でやったほうがいい。

ジャワ島の老舗のお茶ブランド。ジャスミンの香りがあり、テタリにすると香りが立つ。
KOKYO MARKET で見る(13,800円) / 楽天市場で「Tong Tji ティーバッグ 25袋」を探す
サリワンギは素直な紅茶の味で、練乳に負けない。トンチー(Tong Tji)はジャスミンの香りがあるので、インドネシアらしい一杯にしたいならこちら。
10位 エス・コピ・スス・グラアレン(Es Kopi Susu Gula Aren)

インドネシアの定番コーヒーブランド。細かく挽いた粉で、濃いめに淹れられる。
KOKYO MARKET で見る(780円) / 楽天市場で「カパルアピ コーヒー 粉」を探す
2010年代の終わりからジャカルタで大流行した、ヤシ砂糖入りのアイスカフェラテ。コピ・クナンガン(Kopi Kenangan)などのチェーンが、テイクアウトの一杯として広めた。
材料は濃いコーヒー、牛乳、ヤシ砂糖(グラ・アレン)。8位のパームシュガーをシロップにしておけば、そのまま使い回せる。グラスにシロップ、氷、牛乳を入れてから、上から濃いコーヒーを注ぐと層ができる。
白砂糖のカフェラテより甘さに奥行きがあり、日本のカフェで出しても通じる味だ。
インドネシアのドリンクはどこで買える?
日本では、インドネシアのドリンクを近所のスーパーで見かけることはほとんどない。大久保やアメ横のアジア食材店にはボトル茶が並ぶこともあるが、品ぞろえは店とタイミングに左右される。店舗の情報はインドネシア食材が買えるスーパー・専門店まとめにまとめている。
確実なのは通販だ。
→ テボトル、テ・プチュック・ハルム、テ・コタク、グッデイなど、インドネシアのドリンクを直輸入で扱っている。パームシュガーやパンダンの葉、米粉といったエスチェンドルの材料も同じ店でそろう
- 楽天市場
→ コピコ 78℃ やビンタンなど、KOKYO MARKETにない銘柄を探すときに。楽天ポイントが貯まる
瓶や缶は重いので、1本ずつより何種類かまとめて頼んだほうが送料の割合が下がる。お茶3種を1本ずつ飲み比べて、気に入ったものを次にまとめ買いする、という順番がいちばん無駄が少ない。
通販ごとの送料の条件はインドネシア食材が買えるネット通販5選で比べている。
甘いドリンクには、甘辛いお菓子を合わせる
インドネシアの甘いお茶は、それだけで飲むより、何かをつまみながら飲むほうがおいしい。現地ではテボトルの横に、揚げせんべいのクルプックや、塩気のあるビスケットが並んでいる。
ドリンクと一緒に頼むなら、テンペチップスやウエハースがちょうどいい。おすすめはインドネシアのお菓子・スナックおすすめ11選で紹介している。
まず1本なら、テボトル・ソスロ。インドネシアの「甘いお茶」がどういうものか、一口でわかる。



