スーパーのワイン棚には、山梨や長野の名前が入ったボトルと、チリやフランスのボトルが並んでいる。値段を見ると、日本のほうが倍近いことも珍しくない。
高いぶん、おいしいのか。そうとも限らない。
日本ワインと海外ワインの差は、品質の上下ではなくぶどうが育つ気候と、作れる量の差から来ている。そこを押さえると、どちらを買うかは料理と予算でほぼ決まる。
日本ワインと海外ワインの違いを一覧で
先に全体像を表にしておく。
| 日本ワイン | 海外ワイン | |
|---|---|---|
| 定義 | 国内で栽培したぶどうを100%使い、国内で醸造 | 海外で醸造し、瓶で輸入したもの |
| 主な品種 | 甲州、マスカット・ベーリーA、メルロー、シャルドネ | カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーズ、ピノ・ノワールなど国ごとに多様 |
| 味の傾向 | 軽め・酸がやさしい・香りが穏やか | 産地次第。暑い国ほど果実味が濃く、度数も高い |
| アルコール度数 | 11〜13%前後が多い | 8%台から15%超まで幅広い |
| 価格の中心 | 2,000〜4,000円台 | 1,000円未満から。中心は1,000〜3,000円台 |
| 手に入れやすさ | 生産量が少なく、銘柄によっては地元でしか見ない | スーパー・コンビニでも買える |
日本ワインは、国内で飲まれているワインのうちほんの一部にすぎない。棚の大半を占めるのは輸入ワインと、輸入原料で造った国内製造ワインだ。
「日本ワイン」と「国産ワイン」は別もの
ここが一番間違えやすい。
以前は、輸入した濃縮果汁を日本で発酵させたワインも「国産ワイン」と名乗れた。日本のワイナリー名が入っていても、ぶどうは南米産ということが普通にあった。
これを整理したのが国税庁の「果実酒等の製法品質表示基準」で、2018年10月30日から適用されている。
ポイントは3つ。
- 「日本ワイン」と書けるのは、国産ぶどう100%・国内醸造のものだけ
- 輸入原料を使ったものは「国内製造ワイン」。表ラベルに「濃縮果汁使用」「輸入ワイン使用」などの表示が入る
- 表ラベルに産地名を書けるのは日本ワインだけ。その土地のぶどうを85%以上使い、その土地で醸造していることが条件になる。品種名と収穫年も、それぞれ85%以上が条件
1,000円以下で「国内製造」と書かれたワインは、中身の多くが海外のぶどうだと思っていい。悪いものではないが、日本ワインとは別の商品だ。
海外にはもっと細かいルールを持つ国が多い。フランスのAOC、イタリアのDOCGのように、産地・品種・収量まで法律で決めている。フランスの格付けの見方はフランスワインの産地一覧で地図と一緒にまとめてある。
味の違いは気候から来る
日本は雨が多い
ぶどうは、乾いた土地で強い日差しを浴びるほど糖度が上がる。
日本の生育期は梅雨と台風の季節に重なる。湿気が多く、病気を防ぐために早めに収穫することもある。結果として糖度が上がりきらず、ワインは軽くて、酸がやさしく、度数も控えめになりやすい。
これは欠点ばかりではない。
だしや醤油を使う和食は、タンニンが強い赤や樽の香りが強い白と合わせると、どちらかが負ける。日本ワインの穏やかさは、和食の繊細な味にちょうど重なる。
日本の代表品種は2つ
- 甲州(白):山梨で古くから育てられてきた日本固有の品種。2010年にOIV(国際ブドウ・ワイン機構)に品種登録された。柑橘のような香りで、すっきりした辛口が多い
- マスカット・ベーリーA(赤):新潟の川上善兵衛が交配した品種。2013年にOIVに登録。いちごのような甘い香りがあり、渋みは軽い
海外は「暑い国ほど濃い」
海外ワインの味は産地の気温でかなり読める。
チリやオーストラリアのように日照が強く乾いた土地では、ぶどうがよく熟す。果実味が濃く、度数も14%を超えるものが多い。ドイツのように冷涼な土地では、リースリングのように酸が高く、度数が低めのワインになる。
日本ワインの度数は、ドイツの白とフランスの赤のあいだあたりに来る。海外の濃い赤に慣れている人が日本の赤を飲むと「薄い」と感じやすいのはこのためだ。
品種ごとの味の傾向はワインのぶどう品種の違いに早見表がある。
価格の違い:日本ワインはなぜ高いのか
規模が小さい
日本のワイナリーは家族経営に近い小さなところが多い。1本あたりにかかる手間と固定費が大きく、量で値段を下げられない。
ぶどう自体も高い。日本では生食用と同じ畑で育てる品種もあり、平地が少ない国土で広い畑をまとめて確保するのは難しい。
海外ワインは関税がゼロのものが多い
反対に、チリワインは日本・チリEPAで関税が段階的に下がり、2019年に撤廃された。EUのワインも2019年2月の日EU・EPA発効と同時に関税がなくなった。
チリやスペインのワインがスーパーで500円台から並ぶのは、広い畑で大量に作れることに、関税ゼロが重なっているからだ。仕組みはチリワインはなぜ安い?とスペインワインが安い理由で詳しく書いた。
日本ワインの2,000円と、チリワインの2,000円は中身の作られ方が違う。同じ値段なら、海外ワインのほうが上のクラスの1本を選べることが多い。
どっちを選ぶ?料理と予算で決める
迷ったら、次の順番で考えると外れにくい。
- 和食・魚・鍋に合わせる → 日本ワイン。甲州の辛口か、マスカット・ベーリーAの軽い赤
- 焼肉・ステーキ・チーズに合わせる → 海外の赤。チリやオーストラリアのカベルネ・ソーヴィニヨン、シラーズ
- 1,500円以下で毎日飲む → 海外ワイン。チリ・スペイン・オーストラリアが選びやすい
- 贈り物・旅行の思い出 → 日本ワイン。産地名の入ったラベルは話のきっかけになる
一度は飲み比べてみてほしい。甲州とオーストラリアのシャルドネを同じ日に開けると、同じ「辛口の白」でも重さがまるで違うのが分かる。
飲み比べに使える海外ワイン
日本ワインと並べたときに違いが分かりやすいものを選んだ。どれも KOKYO MARKET で扱っている。
クオリア・ワインズ ソルトブッシュ カベルネ・ソーヴィニヨン(オーストラリア)
日照の強い産地の赤がどういうものか、1本でつかめる。マスカット・ベーリーAと並べると、色の濃さから違う。


オーストラリアのカベルネ・ソーヴィニヨン。果実味がしっかりした赤で、肉料理に合わせやすい。
KOKYO MARKET で見る(2,300円) / 楽天市場で「クオリア・ワインズ ソルトブッシュ カベルネ・ソーヴィニヨン 750ml オーストラリアワイン」を探す
ソルトブッシュ シャルドネ(オーストラリア)
甲州との比較用。同じ辛口の白でも、こちらは果実の厚みがある。


オーストラリアのシャルドネ。甲州と飲み比べると、白ワインの重さの違いがよく分かる。
KOKYO MARKET で見る(2,300円) / 楽天市場で「ソルトブッシュ シャルドネ クオリア・ワインズ 750ml」を探す
ティエラインペリアル クリアンサ(スペイン)
クリアンサはスペインの熟成規定で、樽と瓶で一定期間寝かせたワインのこと。日本ワインではあまり出会わない熟成の香りを試せる。

熟成規定「クリアンサ」を満たしたスペインの赤ワイン。樽由来の香りがある。
KOKYO MARKET で見る(2,100円) / 楽天市場で「赤ワイン ティエラインペリアル(クリアンサ)」を探す
ダラットワイン 白(ベトナム)
少し変わったところで、アジアのワインも1本。高原の町ダラットで造られる辛口の白で、日本と同じく雨の多い土地のワインだ。

ベトナム中部高原の辛口白ワイン。アジアのワインを試したい人向け。
KOKYO MARKET で見る(2,500円) / 楽天市場で「ダラットワイン白 ベトナム産辛口ワイン Vang Đà Lạt Trắng 750ml」を探す
日本ワインと海外ワインはどこで買える?
日本ワイン
- 産地のワイナリーや観光施設:山梨の勝沼、長野の塩尻など。ワイナリーでしか売っていない銘柄もある
- 百貨店・酒販店:日本ワインの棚を作っている店が増えている
- 通販:銘柄数を比べるなら楽天市場が早い
海外ワイン
スーパー、カルディ、成城石井、コストコなどで手に入る。店ごとの傾向はスーパーで買えるおすすめワインにまとめた。
珍しい国のワインや、まとめ買いなら通販が便利だ。
→ オーストラリア・スペイン・ベトナムのワインから、海外ビールや中国・台湾のお酒まで直輸入で扱う。上の4本を1か所でそろえられる
- 楽天市場
→ ポイントが貯まる。産地や品種で絞り込みやすい
KOKYO MARKET で買えるおすすめ商品
この記事で紹介した商品の多くは、輸入食品・お酒の通販サイト KOKYO MARKET で購入できます。中国・台湾・韓国・ベトナムの食材から海外のビール・ワインまで、日本ではなかなか手に入らない商品を直輸入で取り扱っています。

ソルトブッシュ シャルドネ クオリア・ワインズ 750ml 2,300円
クオリア・ワインズ ソルトブッシュ カベルネ・ソーヴィニヨン 750ml オーストラリアワイン 2,300円
白ワイン サングリア アラリカ 2,100円
赤ワイン サングリア アラリカ 2,100円
通販サイトの比較は海外ワインが買える通販サイトで詳しく見られる。
まとめ
- 「日本ワイン」は国産ぶどう100%・国内醸造のものだけ。「国内製造ワイン」とは別もの
- 日本ワインは雨の多い気候のため、軽くて酸がやさしく、度数は11〜13%前後
- 海外ワインは暑い産地ほど濃く、度数も高い。関税ゼロと生産規模で価格が安い
- 和食なら日本ワイン、肉料理と日常飲みなら海外ワインが選びやすい
どちらか一方に決める必要はない。甲州とオーストラリアのシャルドネ、マスカット・ベーリーAとチリのカベルネ。1組並べて開けるだけで、ラベルの読み方が変わってくる。



