スーパーのワイン売り場は、たいてい国旗のシールで区切られている。フランス、イタリア、チリ、スペイン。ところが、その区切りが味とどう繋がるのかまでは書かれていない。ラベルの文字は読めず、値段は500円から数千円まで散らばっている。結局「1,000円くらいの赤」で手を打つ。よくある話だ。
30本を国別に並べた。産地ごとの味の傾向と、日本のどこで買えるかまで添えてある。
海外ワインは旧世界と新世界に分けると見通しがいい
ワインには「旧世界」「新世界」という分け方がある。フランスやイタリアのようにローマ時代からブドウを育ててきた国が旧世界、チリやオーストラリアのように大航海時代以降にブドウが持ち込まれた国が新世界だ。
違いはラベルに出る。旧世界は産地の名前を大きく書く。「シャブリ」も「キャンティ」も地名で、そこで使える品種は決まっているから、わざわざ品種を書かない。新世界は逆だ。「カベルネ・ソーヴィニヨン」と大書きしてあれば、それがブドウの名前になる。
初心者が外しにくいのは新世界のほうになる。品種名が読めれば味の見当がつくし、価格も抑えめだ。日本が輸入するワインの数量では、チリが長くフランスと首位を争ってきた。スーパーのチリワインの棚が広いのは、それだけ売れているからでもある。
ブドウ品種は8つ覚えれば棚が読める
産地から入ると国の数だけ知識が要る。品種なら、日本の棚に並ぶワインの大半は8つでカバーできる。
| 品種 | 色 | 味の方向 | よく見る産地 |
|---|---|---|---|
| カベルネ・ソーヴィニヨン | 赤 | 渋みがしっかり、黒い果実の香り | チリ・フランス・豪州 |
| メルロ | 赤 | 渋みが穏やかで口当たりが丸い | チリ・フランス |
| ピノ・ノワール | 赤 | 色が淡く、酸味と香りで飲ませる | フランス・NZ |
| シラー(シラーズ) | 赤 | 黒胡椒を思わせる香り、力強い | 豪州・フランス |
| テンプラニーリョ | 赤 | 果実味に樽の香りが重なる | スペイン |
| シャルドネ | 白 | 産地で幅が広い。樽を使うとバターの香り | フランス・チリ・豪州 |
| ソーヴィニヨン・ブラン | 白 | 青草と柑橘。酸味がくっきり出る | NZ・チリ |
| リースリング | 白 | 甘口から辛口まで。花のような香り | ドイツ |
同じ品種でも産地で表情が変わる。それでも「渋みが強いか弱いか」「軽いか重いか」の見当はつく。2軸に置くとこうなる。
左下から右上へ進むほど飲みごたえが増す。赤が苦手なら左下、物足りないと感じたら右上へ動けばいい。
海外ワインおすすめ4選【フランス編】
産地の階層が細かく、ラベルの情報量が多い。そのぶん値段の幅も広い。1,000円台から入るなら、地方名だけが書かれた南仏やボルドーの広域ものが手堅い。
1. ムートン・カデ ルージュ(ボルドー/赤)
ボルドーの広域ワインとしては昔から日本にあり、扱う店が多い。カベルネとメルロを混ぜた渋みのある赤で、肉料理と合わせる前提の味。フランス赤の基準点として1本知っておくと、他と比べやすい。
2. ジャン・バルモン カベルネ・ソーヴィニヨン(ラングドック/赤)
南仏ラングドックの品種名ワイン。カルディの定番で1,000円を切ることもある。フランス産にしては果実味が前に出て、渋みは軽い。
3. シャブリ(ブルゴーニュ/白)
シャルドネの辛口白。樽を使わないものが多く、レモンと石を思わせる硬い酸味が残る。牡蠣に合わせる定番として知られている。
4. コート・デュ・ローヌ(ローヌ/赤)
グルナッシュとシラーを中心にした南仏の赤。スパイスの香りとふくよかな果実味が同居する。カレーや煮込みのような味の濃い料理に負けない。
海外ワインおすすめ4選【イタリア編】
生産量の多い国で、州ごとに品種がまったく違う。北へ行くほど酸味が立ち、南へ行くほど濃くなる。ざっくりこの理解で棚は読める。
5. キャンティ・クラシコ(トスカーナ/赤)
サンジョヴェーゼを主体にしたトスカーナの赤。酸味がはっきりしていて、トマトソースのパスタと合わせると角が取れる。首に黒い鶏のマークが付いているのが目印。
6. ネロ・ダーヴォラ(シチリア/赤)
シチリアの土着品種。日照の強い島で育つため色が濃く、熟した黒い果実の甘い香りが立つ。1,000円台の価格帯でも味が痩せにくい。
7. プリミティーヴォ(プーリア/赤)
長靴のかかとにあたるプーリア州の赤。アルコール度数が14%前後まで上がるものが多く、渋みより甘さとコクで押してくる。赤ワインを重いと感じない人向け。
8. プロセッコ(ヴェネト/スパークリング)
北イタリアの発泡白。シャンパンより泡が軽く、青リンゴのような香りがある。値段も抑えめで、乾杯用に冷やしておく1本にちょうどいい。
海外ワインおすすめ6選【スペイン・ポルトガル編】
ブドウ畑の面積では世界でも上位のスペインだが、日本での価格は落ち着いている。安く飲める産地を探すなら、まずここを見るのが早い。

9. ティエラインペリアル クリアンサ(スペイン/赤)

樽で寝かせた「クリアンサ」表記のスペイン赤。バニラのような樽香と、乾いた果実の風味が重なる。渋みは中くらいで、生ハムやチョリソーとよく合う。
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10. セニョリオ デ マレステ ブリュット(スペイン/スパークリング)

スペインの辛口スパークリング白。泡が細かく、柑橘の皮のようなほろ苦さが後に残る。食前の1杯から食事の最後まで通しで使える。
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11. アラリカ 赤ワインサングリア(スペイン)

赤ワインに果汁とスパイスを加えたサングリア。度数が低めに抑えられていて、氷を入れて割っても味が崩れない。ワインの渋みが苦手な人の入口になる。
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12. アラリカ 白ワインサングリア(スペイン)

白ベースのサングリア。柑橘の香りが前に出て、赤よりさらに軽い。炭酸で割れば食前酒として使える。
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13. リオハ テンプラニーリョ(スペイン/赤)
スペイン赤の代表産地リオハ。樽で寝かせる期間によってクリアンサ、レセルバ、グラン・レセルバと呼び名が変わる。長いものほど香りが複雑になり、値段も上がる。
14. ヴィーニョ・ヴェルデ(ポルトガル/微発泡白)
ポルトガル北部の微発泡白。度数は9〜11%と低く、わずかな泡と強い酸味で驚くほど軽い。夏に冷やして飲むワインとして知られている。
海外ワインおすすめ3選【ドイツ・ジョージア編】
寒い産地と、古い製法が残る産地。どちらも棚では脇に置かれがちだが、味の方向が他と重ならない。
15. モーゼル リースリング(ドイツ/白)
川沿いの急斜面で育つリースリング。花と白桃のような香りに、背骨のような酸味が通っている。辛口とやや甘口があり、ラベルの表記で見分ける。
16. ツェラー シュヴァルツェカッツ(ドイツ/やや甘口白)
黒猫のラベルで知られるドイツの白。甘みがはっきりあり、酸味が後ろで支える。ワインを飲み慣れていない人が最初に「おいしい」と言いやすいタイプ。
17. ジョージア オレンジワイン(クヴェヴリ製法)
白ブドウを皮ごと発酵させる、8,000年続くとされる製法のワイン。色は琥珀で、紅茶のような渋みと干し杏の香りが出る。白でも赤でもない味を試したいときに。
海外ワインおすすめ5選【チリ・アルゼンチン編】
日本の棚でいちばん本数が多い地域だ。EPAで関税がなくなったチリワインは、同じ品質帯ならヨーロッパ産より価格が下がる。
18. コノスル ヴァラエタル カベルネ・ソーヴィニヨン(チリ/赤)
自転車のラベルで知られるチリの定番。黒い果実の香りと、渋みがしっかり出る。この価格帯で渋みを味わいたいならまずここから。
19. コノスル ビシクレタ シャルドネ(チリ/白)
樽の香りを軽くまとった白。バターとパイナップルのような甘い香りがあり、酸味は穏やか。鶏肉のクリーム煮のような料理に合う。
20. アルパカ カルメネール(チリ/赤)
チリの固有品種カルメネール。ピーマンを思わせる青い香りとチョコレートのような甘い香りが同居する。500円台で見かけることもあり、まとめ買い向き。
21. フロンテラ メルロー(チリ/赤)
渋みが軽く、飲み口が丸いメルロ。冷やし気味にしても味が閉じないので、赤を常温で飲むのが苦手な人にも扱いやすい。
22. トリベント マルベック(アルゼンチン/赤)
アルゼンチンの看板品種マルベック。標高の高い畑で育つため色が濃く、渋みは細かい。焼いた牛肉に合わせるのが現地の作法になっている。
海外ワインおすすめ5選【オセアニア・南アフリカ編】
南半球のワインは果実味がふくよかで、渋みの角が取れている。品種名がそのままラベルに出るので迷いにくい。

23. ソルトブッシュ カベルネ・ソーヴィニヨン(豪州/赤)

オーストラリアのクオリア・ワインズが造るカベルネ。黒スグリの濃い果実味に、渋みが後から追いかけてくる。同じ品種でもチリ産より輪郭が太い。
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24. ソルトブッシュ シャルドネ(豪州/白)

同じ造り手の白。熟した黄色い果実の香りがあり、酸味は穏やかで飲み口が広い。赤と2本揃えると、造り手の性格が見えてくる。
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25. イエローテイル シラーズ(豪州/赤)
カンガルーのラベルが目印。シラーズらしいスパイスの香りに、はっきりした甘みが乗る。渋みは軽く、焼き鳥のタレのような甘辛い味と噛み合う。
26. マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン(ニュージーランド/白)
ニュージーランド南島の白。パッションフルーツと青草の香りが極端なくらい強く出る。白ワインの香りで驚きたいならこの産地が近道になる。
27. 南アフリカ ピノタージュ(赤)
ピノ・ノワールとサンソーから生まれた南アフリカ固有の品種。燻したような香りと甘い果実味が特徴で、バーベキューと相性がいい。
海外ワインおすすめ3選【アジア編】
ワインの産地としては意識されにくい地域だが、中国とベトナムには自国のワインがある。日本の輸入食品店で手に入る銘柄もある。
28. ダラットワイン 白(ベトナム/辛口白)

ベトナム中部の高原都市ダラットで造られる辛口の白。酸味はおとなしく、南国の果実を思わせる香りが軽く立つ。生春巻きや揚げ春巻きと一緒に飲まれている。
KOKYO MARKET で見る(1,700円) / 楽天市場で「ダラットワイン白」を探す
ベトナム産ワインは他にも赤や甘口がある。銘柄ごとの違いは日本で買えるおすすめのベトナム産ワインにまとめてある。
29. 桂花陳酒(中国/白ワインベース)

白ワインに金木犀の花を漬け込んだ中国の混成酒。度数は16度前後で、甘い花の香りがはっきり残る。ワインというより食後酒に近い扱いになる。
KOKYO MARKET で見る(1,600円) / 楽天市場で「桂花陳酒」を探す
30. 長城(グレートウォール/中国・赤)
中国を代表するワインメーカーの1つ。カベルネ・ソーヴィニヨンを使った赤が中心で、渋みは控えめに造られている。中国料理店のボトルワインとして置かれていることが多い。
中国のお酒は白酒や紹興酒のほうが知られている。飲み比べるなら中国産の美味しいお酒ランキング10選が分かりやすい。
海外ワインはどこで買える?
銘柄が決まっても、置いている店が分からなければ手に入らない。販路ごとに得意な範囲が違う。
ネット通販
→ スペイン・オーストラリア・ベトナムのワインを直輸入で扱っている。サングリアや中国の桂花陳酒のように、店頭ではまず見かけない品が揃うのが強み。まとめ買いすると1本あたりの送料負担が軽くなる
- 楽天市場
→ フランス・イタリアの銘柄数が厚く、6本・12本のセット売りが多い。ポイントを乗せられるぶん実質の負担を下げやすい
KOKYO MARKET で買えるおすすめ商品
この記事で紹介した商品の多くは、輸入食品・お酒の通販サイト KOKYO MARKET で購入できます。中国・台湾・韓国・ベトナムの食材から海外のビール・ワインまで、日本ではなかなか手に入らない商品を直輸入で取り扱っています。

ソルトブッシュ シャルドネ クオリア・ワインズ 750ml 1,980円
クオリア・ワインズ ソルトブッシュ カベルネ・ソーヴィニヨン 750ml オーストラリアワイン 1,980円
白ワイン サングリア アラリカ 2,000円
赤ワイン サングリア アラリカ 2,000円
実店舗
| 店 | 揃いやすい国 | 特徴 |
|---|---|---|
| カルディ | フランス・チリ・イタリア | 1,000円前後の品種名ワインが厚い。季節で入れ替わる |
| 業務スーパー | チリ・スペイン・南アフリカ | 価格帯が低い。紙パックや大容量の扱いもある |
| 成城石井 | フランス・イタリア | 生産者を絞った品揃え。店員に聞ける店が多い |
| コストコ | アメリカ・チリ・フランス | 本数をまとめて買う前提。単価は下がる |
| ドン・キホーテ | チリ・スペイン | 深夜まで開いていて、価格も抑えめ |
実店舗は「行ってみないと分からない」のが弱点になる。狙った銘柄を確実に手に入れたいなら通販が早い。1本だけ試したいときは、カルディや業務スーパーの棚を見るほうが向く。
送料や品揃えを含めた通販の比較は輸入酒が買えるネット通販10選に詳しい。ワインに限らず選びたいなら海外のお酒おすすめ30選のほうが早い。
海外ワインをおいしく飲む3つのコツ
温度を作る。 赤は常温、白は冷蔵という覚え方だと、日本の室温では赤が温すぎる。赤も飲む30分前に冷蔵庫へ入れて、15〜18℃くらいまで下げたほうが香りがまとまる。白は8〜10℃が目安になる。
開けたら少し待つ。 抜栓した直後は香りが閉じていることが多い。グラスに注いで10分置くだけで印象が変わる銘柄はよくある。渋みの強い赤ほど差が出る。
残ったら栓をして冷蔵庫へ。 飲みきれなかったボトルは、専用のストッパーか元のコルクで栓をして立てて冷蔵する。赤でも冷やして構わない。翌日から2〜3日は味が保つ。
よくある質問
安いワインと高いワインは何が違う?
大きいのは畑の収穫量と、樽で寝かせた期間だ。1本あたりのブドウの量を絞り、樽で長く寝かせるほどコストが乗る。ただし高いほど自分の好みに合うとは限らない。まずは1,000〜2,000円の帯で品種を試すほうが早く好みが分かる。
赤と白はどう使い分ける?
料理の色に合わせると外しにくい。牛肉や煮込みには赤、魚や鶏には白。ただし絶対の決まりではなく、脂の多い魚には軽い赤が合うこともある。
スクリューキャップのワインは品質が落ちる?
栓の違いは品質の上下ではない。コルクは微量の酸素を通して熟成を進める栓で、スクリューキャップは味を止めておく栓になる。若いうちに飲むワインならスクリューキャップのほうが合理的で、ニュージーランドや豪州では主流になっている。
海外ワインのアルコール度数はどれくらい?
11〜14%に集まる。ドイツのリースリングやポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデは9〜11%と低く、暖かい産地のプリミティーヴォやジンファンデルは14%を超えることがある。同じ750mlでも、含まれる純アルコール量には3割ほどの差が出る。
最初の3本をどう選ぶか
30本を一度に試す必要はない。方向の違う3本から始めると、自分の好みが言葉になる。渋みの強い赤からチリのカベルネ・ソーヴィニヨン、酸味の立つ白からニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン、そして甘みのあるドイツの白。この3本を並べて飲めば、どこが好きでどこが苦手かがはっきりする。
好みがまだ形にならないなら、質問をたどって絞り込んでもいい。
そこから先は国で広げていけばいい。渋みが好きならフランスとオーストラリア、軽さが好きならイタリア北部とポルトガル、香りで驚きたいならニュージーランドとジョージア。棚の前で立ち尽くす時間は、それだけ短くなる。
ビールから海外の酒に入るなら海外ビールおすすめ30選も同じ形でまとめてある。



