イタリアのワイン売り場は、名前が覚えにくい。キャンティ、バローロ、モンテプルチアーノ。地名なのか品種なのか、ラベルを見ても判断がつかない。
理由ははっきりしている。イタリアは20の州すべてでワインを造っていて、公認されている土着品種だけで400を超える。フランスと並ぶ世界最大級の生産国なのに、全体像を1枚で説明した売り場はまずない。
ここでは北・中・南の3つに分けて味の傾向をつかみ、そのうえで赤7本・白4本・泡と甘口4本の計15本を選んだ。最後に日本のどこで買えるかも載せている。
イタリアワインは北と南で味がまるで違う
長靴の形をした国は、北のアルプスから南のシチリアまで1,000km以上ある。気候が違えば、育つブドウも味も変わる。
覚え方は1行で足りる。北ほど酸味が立ち、南ほど濃くなる。
北部のピエモンテやヴェネトは夏でも夜が冷える。ブドウの酸が残るので、引き締まった赤やすっきりした白が多い。中部のトスカーナは酸味と果実味の釣り合いがいい。南のプーリアやシチリアは日差しが強く、ブドウの糖度が上がる。そのぶん色が濃く、アルコール度数も高くなりやすい。
軽いワインが好きなら北から、どっしりした赤が好きなら南から探すと外れにくい。
品種は6つ覚えれば棚が読める
フランスやチリに比べ、イタリアは国際品種より土着品種が主役になる。まずはこの6つを覚えておけば、ラベルの半分は読めるようになる。
| 品種 | 色 | 主な産地 | 味の方向 |
|---|---|---|---|
| サンジョヴェーゼ | 赤 | トスカーナ | 酸味がはっきり。チェリーの香り |
| ネッビオーロ | 赤 | ピエモンテ | 色は淡いのに渋みが強い。長く熟成させる |
| モンテプルチアーノ | 赤 | アブルッツォ | 色が濃く、渋みは穏やか。値段が手頃 |
| プリミティーヴォ | 赤 | プーリア | 甘い果実味と高めの度数 |
| ガルガーネガ | 白 | ヴェネト | アーモンドを思わせる香り、軽い苦み |
| グレーラ | 白(泡) | ヴェネト | 青リンゴの香り。プロセッコの原料 |
1つ引っかかりやすい点がある。モンテプルチアーノは品種名で、「モンテプルチアーノ・ダブルッツォ」はアブルッツォ州でその品種から造る赤を指す。一方の「ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ」はトスカーナにある町の名前で、中身はサンジョヴェーゼだ。名前が同じでも別物になる。
ラベルの読み方は格付けの4段だけ押さえる
イタリアワインのラベルには、アルファベットの略号が入っていることが多い。これは産地ごとの格付けを表している。
店頭でいちばん分かりやすい目印は、ボトルの首に巻かれた細い帯だ。DOCG のワインには、番号の入った政府の帯を付ける決まりがある。帯があれば最上位の格付けと判断していい。
ただ、格付けと好みは別の話になる。トスカーナの「スーパータスカン」と呼ばれる高価な赤は、伝統の規定から外れた品種を使ったために、IGT を名乗っている銘柄が多い。格付けは「産地のルールを守っているか」の印であって、おいしさの順位ではない。
イタリアワインおすすめ7選【赤ワイン】
赤は北から南へ順に並べた。上ほど酸味が立ち、下へ行くほど濃くなる。
1. バローロ(ピエモンテ/ネッビオーロ)
「王のワイン」と呼ばれるピエモンテの赤。ネッビオーロ100%で造り、最低38か月の熟成が義務付けられている。色は淡いレンガ色なのに、渋みと酸味は強い。価格は5,000円前後からと高めなので、記念日の1本向き。
2. バルベーラ・ダスティ(ピエモンテ/バルベーラ)
バローロと同じ州の、普段飲み側の赤。渋みが少なく酸味が明るいので、脂のある料理と合わせると口の中が軽くなる。2,000円前後から見つかる。
3. ヴァルポリチェッラ・リパッソ(ヴェネト/コルヴィーナ)
陰干しブドウで造る高級赤「アマローネ」の搾りかすに、もう一度ワインを漬け込む製法。ドライフルーツのような香りとコクが加わる。アマローネより手頃な値段で、その雰囲気を味わえる。
4. キャンティ・クラシコ(トスカーナ/サンジョヴェーゼ)
イタリアの赤と聞いて多くの人が思い浮かべる1本。サンジョヴェーゼを80%以上使い、酸味がはっきりしている。首に付いた黒い雄鶏のマークが目印。トマトソースと合わせると酸が噛み合う。
ただの「キャンティ」と「キャンティ・クラシコ」は別の産地になる。クラシコは昔からの中心地区で、規定も厳しい。迷ったら黒い雄鶏のほうを選べばいい。
5. ファルネーゼ モンテプルチアーノ・ダブルッツォ(アブルッツォ)
中部アブルッツォの赤。色は濃いのに渋みは穏やかで、果実の甘い香りが先に来る。1,000円台で買える銘柄が多く、イタリアの赤を初めて買うならここから入るのが手堅い。
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6. ネロ・ダーヴォラ(シチリア)
シチリアの土着品種。日照の強い島で育つため色が濃く、熟したプラムのような香りが立つ。1,000円台でも味が薄くなりにくい。
7. プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア(プーリア)

長靴のかかとにあたるプーリア州の赤。アメリカのジンファンデルと遺伝的に同じ品種で、度数は14%を超えるものが多い。渋みより甘さとコクで押してくるので、焼肉のタレにも負けない。
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イタリアワインおすすめ4選【白ワイン】
イタリアの白は、全体に軽くて食事の邪魔をしないものが多い。樽の香りが強いタイプは少数派だ。
8. ピノ・グリージョ(ヴェネト/フリウリ)

北イタリアの軽い辛口白。香りは控えめで、洋梨やレモンの皮のような風味がある。3Lのバッグ・イン・ボックスで売られていることも多く、家で気兼ねなく飲むのに向く。
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9. ソアーヴェ(ヴェネト/ガルガーネガ)
ロミオとジュリエットの舞台ヴェローナの近くで造られる白。アーモンドのような香りと、最後に残る軽い苦みが特徴。和食の白身魚や刺身と合わせても生臭さが出にくい。
10. ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ(マルケ)
アドリア海沿いのマルケ州の白。アンフォラ(古代の壺)の形をしたボトルで知られる銘柄がある。酸味がしっかりしていて、魚介のフリットと合う。
11. ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ(サルデーニャ)

地中海に浮かぶ島の白。ハーブと柑橘の香りに、ほのかな塩気のような後味がある。ボンゴレやペスカトーレのような魚介のパスタに合わせたい。
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イタリアワインおすすめ4選【スパークリング・甘口】
泡もの天国なのもイタリアの特徴だ。辛口の乾杯用から、デザートに合わせる甘口まで幅がある。
12. プロセッコ(ヴェネト)
グレーラ種で造る北イタリアの発泡白。タンクの中で二次発酵させるため、泡は軽く、青リンゴの香りが前に出る。シャンパンより手頃で、乾杯用に1本冷やしておくのにちょうどいい。
13. フランチャコルタ(ロンバルディア)
シャンパンと同じく瓶の中で二次発酵させる、イタリアを代表する高級スパークリング。熟成期間が長いぶん、泡が細かくパンのような香りが出る。プロセッコとの違いは飲み比べるとすぐ分かる。
14. モスカート・ダスティ(ピエモンテ)
マスカットの香りをそのまま閉じ込めたような微発泡の甘口。度数は5〜6%とビール並みに低い。ワインが苦手な人でも飲みやすく、食後のフルーツやケーキに合う。
15. ランブルスコ(エミリア=ロマーニャ)
珍しい赤の微発泡。辛口の「セッコ」から甘口の「アマービレ」「ドルチェ」まであり、ラベルで見分ける。産地は生ハムで有名なパルマの近くで、生ハムやサラミと合わせるのが地元の定番だ。
15本の度数を並べてみる
同じイタリアワインでも、度数には3倍近い開きがある。
モスカート・ダスティの5.5%から、プリミティーヴォの14.5%まで。赤は南に行くほど右へ寄っていく。冒頭の「南ほど濃くなる」が、数字でも確かめられる。
飲み慣れていない人と開けるなら、左側の泡や軽い白から。お酒に強い人が集まる席なら、右端の赤を1本入れておくと満足度が上がる。
料理から選ぶなら
イタリアワインは郷土料理と一緒に育ってきた。料理を先に決めてしまえば、選ぶワインは自然に絞られる。
迷ったときの目安は「料理と同じ地方のワイン」だ。トスカーナの肉料理にはキャンティ、ヴェネトの魚料理にはソアーヴェ。現地で長く一緒に食べられてきた組み合わせは、やはり噛み合う。
イタリアワインはどこで買える?
銘柄の目星がついても、どこに置いてあるかで手間は変わる。
実店舗
| 店 | 揃いやすいもの | 特徴 |
|---|---|---|
| カルディ | モンテプルチアーノ、ネロ・ダーヴォラ、プロセッコ | 1,000円台のイタリアワインが厚い。季節で入れ替わる |
| 成城石井 | キャンティ・クラシコ、バローロ、フランチャコルタ | 生産者を絞った品揃え。上の価格帯も置いている |
| 業務スーパー | 低価格の赤白、ランブルスコ | 1,000円を切る価格帯が中心 |
| イオン・イトーヨーカドー | 定番の赤白、甘口スパークリング | 近所で手に入る安心感がある |
カルディのワインについてはカルディのワインおすすめランキングに銘柄ごとにまとめてある。
ネット通販
実店舗で見つかるのは、ほとんどが1,000〜2,000円台の定番銘柄だ。バローロの生産者違いや、ヴェルメンティーノのような少し外れた品種を探すなら、通販のほうが早い。
- 楽天市場
→ イタリアワインの銘柄数が多く、6本・12本の飲み比べセットも選べる。ポイントを使えば実質の負担を抑えられる
→ 海外のお酒と食品を直輸入で扱う通販。イタリアからはモレッティやメッシーナといったビールを揃えていて、スペインやオーストラリアのワインも買える。ワインと一緒にまとめ買いすると送料の負担が軽くなる
イタリアのピッツェリアでは、ワインではなくビールを頼む人も珍しくない。ピッツァと合わせるなら、軽いラガーのほうが合う場面もある。


KOKYO MARKET で買えるおすすめ商品
この記事で紹介した商品の多くは、輸入食品・お酒の通販サイト KOKYO MARKET で購入できます。中国・台湾・韓国・ベトナムの食材から海外のビール・ワインまで、日本ではなかなか手に入らない商品を直輸入で取り扱っています。

メッシーナ シチリア MESSINA 330ml瓶 イタリアビール 1,000円
モレッティ 330ml 瓶 イタリアビール ピルスナー 1,200円
フルーツティー ライム味 香瓢瓢 泰式青檸茶 400ml 2,970円
通販各社の送料や品揃えの比較は海外ワインが買えるネット通販のおすすめに詳しい。自然派のワインに興味があればナチュラルワインが買える通販も参考になる。
よくある質問
イタリアワインとフランスワインは何が違う?
フランスはカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネのように、世界中で栽培される品種の本家にあたる。イタリアはその土地にしかない品種が主役になる。同じ価格帯なら、イタリアのほうが酸味が立ち、食事と合わせる前提で造られたものが多い。
初心者が最初に買うなら?
1,000円台のモンテプルチアーノ・ダブルッツォと、プロセッコの2本がいい。前者は渋みが穏やかで、後者はどんな料理にも合わせやすい。赤と泡でイタリアの両端をつかめる。
冷やして飲んでいい?
白と泡は6〜10℃までしっかり冷やす。赤も、日本の室温では温度が高すぎることが多い。飲む30分前に冷蔵庫へ入れ、16℃前後まで下げると香りがまとまる。ランブルスコは赤でも冷やして飲むのが普通だ。
開けたワインはどれくらい持つ?
栓をして冷蔵庫に立てておけば、赤と白は2〜3日が目安になる。泡は抜けやすいので、専用のストッパーを使っても翌日までと考えたほうがいい。
最初の3本をどう選ぶか
15本を一度に揃える必要はない。北・中・南から1本ずつ選ぶと、この国のワインの幅が一度に分かる。
北からはプロセッコ、中部からはキャンティ・クラシコ、南からはプリミティーヴォ。泡の軽さ、酸味、濃さ。3本並べて飲むと、どの方向が自分の好みかがはっきりする。
そこから先は、好みに近い地方の品種へ広げていけばいい。イタリア以外の国も含めて比べたいなら海外ワインおすすめ30選が、ワイン以外のお酒まで見たいなら海外のお酒おすすめ30選が次の1本を探す手がかりになる。



