日本で「とりあえずビール」と頼んで出てくる金色のビール。あの色と味の原型は、1842年にチェコのプルゼニ(ドイツ語でピルゼン)で生まれた。ピルスナーという名前も、この町の名前から来ている。
チェコはビールを飲む量でも突出している。キリンホールディングスの調査では、1人あたりのビール消費量で30年以上トップを続けている国だ。
ただ、日本の酒屋でチェコビールの棚を見かけることはあまりない。ここでは日本の通販で見つけやすい8本を選んで、度数と味の違い、それから買える場所をまとめた。度数は各醸造所の公表値を使っている。
チェコビールを選ぶ前に知っておきたいこと
ラベルの「12°」はアルコール度数ではない
チェコビールのラベルや現地のメニューには、「10°」「12°」といった数字が書いてある。これを度数と思って「12%は強すぎる」と避ける人がいるが、違う。
この数字は麦汁の濃さ(プラトー度。昔はバリング度と呼んだ)を表している。発酵前の麦汁にどれだけ糖分が溶けていたかの目安だ。
10°前後のビールはチェコで「ヴィーチェプニー」と呼ばれ、軽く飲む日常用。11°〜12°は「レジャーク」で、長く寝かせたしっかりめのラガーになる。日本に輸入されているのは、ほとんどがこのレジャークだ。
苦味の正体はザーツのホップ
チェコのピルスナーを飲んで最初に気づくのは、苦味の質だと思う。強いのに、後に残りにくい。
これはチェコ北西部のジャテツ(ドイツ語でザーツ)で育つホップによるものだ。香りが穏やかで上品なホップとして世界中の醸造所が使っていて、日本のビールにもこのホップを使う銘柄がある。チェコのビールは、このホップを地元で惜しまず使える。
日本のピルスナーより麦の味が濃く、泡がきめ細かい。これがチェコビール全体に共通する特徴になる。
チェコビールおすすめ8選

1. ピルスナー・ウルケル
最初の1本はこれで決まり。世界で最初のピルスナーを、今も同じ町で造っている。
1842年、プルゼニの市民醸造所がバイエルン出身の醸造家ヨーゼフ・グロルを招いて造った黄金色のビールが始まりだ。それまでのビールは濃い色のものが多く、透き通った金色は当時の人を驚かせた。「ウルケル」はドイツ語で「元祖」という意味になる。
度数は4.4%と低め。それなのに飲んだ印象は軽くない。麦芽の甘みとホップの苦味がどちらも強く、飲み込んだ後に苦味がすっと引いていく。2017年からはアサヒグループの傘下にあり、日本でも比較的見つけやすい。
1842年にプルゼニで生まれた世界最初のピルスナー。度数4.4%。麦の甘みと強い苦味があって、後味はすっきり引く。
2. ブドバー オリジナル
ウルケルと並ぶチェコの2大ピルスナー。南ボヘミアのチェスケー・ブジェヨヴィツェで造られている。
この町のドイツ語名がブドヴァイス。つまり「ブドヴァイスのビール=バドワイザー」で、アメリカのバドワイザーと商標をめぐって100年以上争ってきた。そのため国や地域によって名前が変わり、日本では「ブデヨビツキ・ブドバー」として売られていることが多い。
1895年創業で、今もチェコ国営の醸造所だ。
度数5.0%。長い時間をかけて低温で熟成させるのが特徴で、ウルケルに比べると苦味は穏やか。麦の甘みとまろやかさが前に出る。苦いビールが得意でない人には、こちらのほうが合うはず。

チェコ国営醸造所のピルスナー。度数5.0%。長期熟成でまろやか、苦味は穏やかで麦の甘みが前に出る。
KOKYO MARKET で見る(4,000円) / 楽天市場で「ブドバー ビール」を探す
3. ブドバー ダーク
ブドバーの黒ビール版。度数は4.7%。
オリジナルの仕込みに、ローストした麦芽とカラメル麦芽を加えて造る。コーヒーやビターチョコのような香りがあるのに、口当たりは重くない。黒ビールは飲みにくいと思っている人ほど、一度試してほしい。

ブドバーの黒ビール。度数4.7%。コーヒーやビターチョコの香りがあって、口当たりは軽い。
KOKYO MARKET で見る(11,100円) / 楽天市場で「ブドバー ダーク」を探す
4. コゼル プレミアム
ラベルの山羊(コゼル=チェコ語で山羊)が目印。
プラハの南東、ヴェルケー・ポポヴィツェで1874年に始まった醸造所のビールだ。今はウルケルと同じグループに属しているが、醸造所は別に動いている。
度数4.6%。ウルケルより苦味が弱く、軽くてすっきりしている。チェコビールの中では日本の大手のビールに一番近い飲み口で、食事の邪魔をしない。

山羊のラベルで知られるチェコのラガー。度数4.6%。苦味は控えめで、日本のビールに近いすっきりした飲み口。
KOKYO MARKET で見る(13,700円) / 楽天市場で「コゼル プレミアム」を探す
5. コゼル ダーク
コゼルの名前を世界に広めたのは、実はこちらの黒ビールだ。
度数3.8%と8本の中で一番低い。甘いカラメルの香りがして、苦味はほとんど感じない。チェコではこのダークとプレミアムを半分ずつ注いだ「ジェザネー(切ったビール)」という飲み方もある。グラスの中で2層に分かれて見た目も楽しい。

コゼルの黒ビール。度数3.8%。カラメルの甘い香りで苦味はほとんどない。プレミアムと半分ずつ注ぐ飲み方も。
KOKYO MARKET で見る(11,100円) / 楽天市場で「コゼル ダーク」を探す
6. スタロプラメン
プラハで造られているビールが飲みたいなら、これ。
1869年にプラハのスミーホフ地区で生まれた醸造所で、名前はチェコ語で「古い泉」を意味する。日本では「チェコピルスナー スタロプラメン」の名前で見かけることが多い。
度数5.0%。炭酸がやや強く、ホップの香りは軽め。ウルケルとブドバーの中間くらいの、癖の少ない味だ。
プラハ生まれのラガー。度数5.0%。炭酸がやや強めで癖が少なく、毎日でも飲める。
7. ベルナルド 祝祭ラガー
大手とは違うチェコビールを試したいならベルナルド。
チェコ中部の町フムポレツにある家族経営の醸造所で、1991年に今のオーナー一家が古い醸造所を買い取って再出発した。ビールを熱処理せず、酵母を生かしたまま瓶に詰めるのがこだわりだ。
祝祭ラガー(スヴァーテチニー・レジャーク)は度数5.0%。瓶の中でもう一度発酵させていて、泡がとても細かい。パンのような酵母の香りがあり、大手のピルスナーとは飲んだ印象がかなり違う。

家族経営の醸造所が造る非熱処理のラガー。祝祭ラガーは度数5.0%で瓶内二次発酵。泡が細かく酵母の香りがある。
KOKYO MARKET で見る(4,000円) / 楽天市場で「ベルナルド ビール」を探す
8. クルショヴィツェ インペリアル
歴史の長さで選ぶならクルショヴィツェ。
1581年創業で、2年後には神聖ローマ皇帝ルドルフ2世がこの醸造所を買い取った。「インペリアル(皇帝の)」という名前はここから来ている。今はハイネケンのグループに入っている。
度数5.0%。ザーツのホップを使った正統派のピルスナーで、苦味は中くらい。日本では取り扱いが少なく、通販でも出品がない時期がある。見つけたら試す価値はある1本だ。
1581年創業の醸造所のピルスナー。度数5.0%。ザーツのホップを使った正統派で、苦味は中くらい。
8本の度数をくらべる
並べてみると、チェコビールの度数は3.8%〜5.0%に収まる。日本の大手のビール(5%前後)と同じか、少し低い。
度数が低いのに物足りなく感じないのは、麦汁の濃さのほうで味を出しているからだ。ウルケルは4.4%でも、麦汁は12°近くある。アルコールより麦の味を飲ませるビールだと考えると、チェコビールの性格がつかみやすい。
好みで選ぶならこの分かれ方
8本のうち、最初に買うならこの5本から選ぶと外れにくい。
| 銘柄 | 度数 | 苦味 | こんな人に |
|---|---|---|---|
| ピルスナー・ウルケル | 4.4% | 強い | 元祖のピルスナーを飲みたい |
| ブドバー オリジナル | 5.0% | 穏やか | 苦すぎるビールは苦手 |
| コゼル プレミアム | 4.6% | 弱め | 日本のビールに近い味がいい |
| コゼル ダーク | 3.8% | ほぼなし | 黒ビールを軽く飲みたい |
| ベルナルド 祝祭ラガー | 5.0% | 中くらい | 大手とは違う味を試したい |
迷ったらウルケルとブドバーを1本ずつ。同じピルスナーでも苦味の出方がまったく違うので、どちらが自分の好みかすぐにわかる。
日本でチェコビールが買える場所
楽天市場・Amazonなどの通販
確実に手に入れるなら通販になる。ピルスナー・ウルケルとコゼルは輸入量が多く、楽天市場では24本入りのケースもよく出ている。
ブドバー、ベルナルド、クルショヴィツェは輸入元が限られ、時期によって品切れになる。見つけたときに数本まとめて買っておくのが確実だ。賞味期限が国産ビールより短めのものもあるので、届いたら早めに飲む。
スーパー・酒屋の店頭
成城石井、やまや、カルディのような輸入酒に強い店で、ピルスナー・ウルケルを見かけることがある。それ以外の銘柄が店頭に並ぶことは少ない。ビール専門の酒屋やチェコ料理のレストランなら、生で飲めることもある。
KOKYO MARKET
KOKYO MARKET は、アジアの食品と世界のビールやお酒を直輸入で扱う通販サイト。チェコビールは今のところ扱っていないが、ピルスナーの飲み比べ相手になるビールがそろっている。
ドイツ北部のイェヴァー ピルスナーは、ウルケルよりさらに苦味の強いドイツ式ピルスナー。イタリアのモレッティは軽くて癖がない。チェコビールと並べて飲むと、同じピルスナーでも国ごとに苦味の作り方が違うのがよくわかる。
KOKYO MARKET で買えるおすすめ商品
この記事で紹介した商品の多くは、輸入食品・お酒の通販サイト KOKYO MARKET で購入できます。中国・台湾・韓国・ベトナムの食材から海外のビール・ワインまで、日本ではなかなか手に入らない商品を直輸入で取り扱っています。

イェヴァー ピルスナー Jever Pilsener 瓶330ml ドイツビール 3,400円
モレッティ 330ml 瓶 イタリアビール ピルスナー 1,900円
タイが産んだ世界的有名ビール シンハー瓶ビール IEP ピルスナータイ 330ml 1,800円
注文金額にかかわらず送料無料(2026年9月時点)なので、1本だけ試したいときも送料が乗らない。
チェコビールをおいしく飲むコツ
チェコのピルスナーは、日本のビールほどキンキンに冷やさないほうが味が出る。冷蔵庫から出して5分ほど置き、7〜8℃くらいで飲むと麦の甘みがわかりやすい。
泡もたっぷり立てる。チェコでは泡が少ないビールは「気が抜けている」と嫌われ、グラスのほとんどを泡で満たす「ムリーコ」という注ぎ方まである。家でも、グラスの真上から勢いよく注いでかまわない。
合わせる料理は、豚肉料理やソーセージ、フライドポテトのように脂と塩気のあるもの。チェコの定番おつまみは、玉ねぎと一緒にオイル漬けにしたチーズ「ナクラダニー・ヘルメリーン」だ。家なら、カマンベールに粗挽き胡椒を振るだけでも近い組み合わせになる。
ほかの国のビールも探すなら
ピルスナーの流れをさかのぼるなら、隣のドイツのビールも外せない。ヘレスやヴァイツェンとの違いはドイツビールの種類と有名銘柄一覧|日本で買えるおすすめ12選にまとめた。苦味の少ない方向に振るなら、ベルギービール入門|種類・有名銘柄・日本で買える場所が参考になる。
国をまたいで選びたいときは【2026年版】海外ビールおすすめ30選|国別に味・度数・買える場所へ。買う店を比べるなら輸入ビールが買えるネット通販8選が役に立つ。



