ベトナムの食堂でお酒を頼むと、まず出てくるのは氷入りのグラスと缶ビール。乾杯の掛け声は「モッ・ハイ・バー・ヨー(1、2、3、飲もう)」で、これが何度もくり返される。
ただ、ベトナムのお酒はビールだけではない。米から造る蒸留酒「ルオウ」があり、もち米や赤米の酒があり、山の果実を漬けた果実酒がある。旅行でネップモイを飲んで気に入った、という人も多いはずだ。
ここでは、ベトナムで名前が通っているお酒を種類ごとに分けて、度数と特徴、それから日本でどこなら買えるかをまとめた。度数はボトルの表記に合わせている。
ベトナムのお酒は大きく5種類
ベトナム語でお酒は「ルオウ(Rượu)」。ビールは「ビア(Bia)」と別の言葉で呼ぶので、現地で「ルオウ」と言えば米の蒸留酒や果実酒のことを指すと考えていい。
種類は原料でほぼ決まる。
| 種類 | 原料 | 度数の目安 | 有名な銘柄 |
|---|---|---|---|
| 米の蒸留酒 | うるち米 | 29.5〜40% | ネップモイ、ルアモイ、ハノイウォッカ |
| もち米酒 | もち米 | 銘柄による | ルオウ・ネップカイ |
| 赤米酒 | 赤もち米 | 銘柄による(リキュールは29.5%) | ネップカム |
| 果実酒・リキュール | 杏、山リンゴ、野生バナナ | 25〜30% | タンマイ、タオメオ |
| ビール・ワイン | 麦芽、ぶどう | 4〜13% | 333、サイゴン、ダラットワイン |
日本人が「ベトナムのお酒」と聞いて思い浮かべるのは、たぶん上の2つ。ネップモイと333ビールだろう。
ベトナムで有名な米の蒸留酒
ネップモイ
ベトナムのお酒で一番名前が知られているのが、このネップモイ(Nếp Mới)だ。意味は「新しいもち米」。
造っているのはハノイ酒造(ハリコ / Halico)。前身はフランス統治時代の1898年に建てられたハノイの酒工場で、100年以上続くベトナムの酒造会社になる。
瓶を開けると、炊きたてのもち米のような甘い香りが立つ。この香りが好きで、旅行のたびに買って帰る人もいる。日本ではウォッカとして輸入されていて、楽天市場で見かけるのは700ml・40度と500ml・30度の2種類。同じ名前でも瓶の大きさで度数が違うので、買う前にラベルを見ておきたい。
名前とは逆に、主な原料はもち米ではなく普通の米で、香りは後から付けているという輸入元の説明もある。メーカーの資料もはっきり「もち米で造る」とは書いていない。
ハノイ酒造の米の蒸留酒。もち米のような甘い香り。日本では700ml・40度と500ml・30度が流通している。
ルアモイ
ネップモイと同じハノイ酒造の酒で、名前は「新しい稲」。ネップモイの兄弟分のような1本だ。
度数は40%。香りはネップモイより控えめで、米の甘みがまろやかに出る。香りの強い酒が苦手なら、こちらから試すほうがいい。

ハノイ酒造の米の蒸留酒。度数40%。香りは控えめで、米の甘みとまろやかさが前に出る。
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ハノイウォッカ
ベトナムの食堂で一番よく見かける蒸留酒がこれ。ラベルにウォッカとあるが、原料は米だ。
通常版は29.5%で、ストレートでもロックでも飲みやすい。ベトナムの若い人はコーラやオレンジジュースで割って飲むことも多い。上位版のプレミアムは33%で、雑味が少なく口当たりがすっきりしている。

原料は米100%のベトナムの定番ウォッカ。度数29.5%。ストレート、ロック、ジュース割りのどれでも飲める。
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ハノイウォッカの上位版。度数33%。雑味が少なく、すっきりした口当たり。
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地方の村で造られる地酒
ベトナムには「酒の村」と呼ばれる産地がいくつもある。北部バクザン省のランヴァン、中部ビンディン省のバウダー、北部ニンビン省のキムソンなどだ。村ごとに米と水と麹が違い、現地では土産物として瓶を買っていく人が多い。
こうした村の酒は、日本の通販ではほとんど見かけない。その中で手に入りやすいのが、北部ランソン省のマウソン山の名を付けた「マウ・ソン」。度数29%で、薬草を思わせる香りとキレのある辛さがある。

ランソン省マウソン山の名を冠した郷土酒。度数29%。澄んだ色で、薬草のような香りとキレのある辛さ。
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南部では、米の蒸留酒をまとめて「ルオウ・デー」と呼ぶ。中部高原の少数民族には、甕(かめ)に入れた酒を長い竹のストローで回し飲みする「ルオウ・カン」という飲み方が残っている。どちらも現地で飲む酒で、日本で瓶を探すのは難しい。
もち米酒と赤米酒
ルオウ・ネップカイ
もち米100%で造る酒。ベトナムではお祭りや旧正月(テト)の席に欠かせない。
味は日本酒に近く、米の甘みがやわらかい。ネップモイのような強い香りはないので、日本酒が好きな人には一番なじみやすいベトナムの酒だと思う。

もち米100%のベトナムの酒。祭事やテトの席で飲まれる。日本酒に近い、やわらかな米の甘み。
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ネップカム
赤もち米(ネップカム)から造る赤い酒。グラスに注ぐと、紹興酒より少し明るい赤茶色になる。
黒蜜に似た甘さと酸味があり、ストレートを少しずつ飲むのが向いている。日本で手に入るのは、ハノイ酒造の29.5%のリキュールと、甘口の赤米酒の2種類だ。

赤もち米から造るハノイ酒造の酒。度数29.5%。黒蜜のような甘さと酸味がある。
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赤米から造るベトナム伝統の甘口の米の酒。ベトナム中の酒場で見かける。
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果実酒・リキュール
ベトナムの大衆酒場には、果実を米の蒸留酒に漬けた酒が何種類も並んでいる。食後に小さなグラスで1杯飲むのが定番だ。
タオメオ
北部の山に自生する小さなリンゴ(タオメオ)を漬けた酒。酸味がはっきりしていて、甘すぎない。

北部の山に自生する小さなリンゴ「タオメオ」の果実酒。酸味がはっきりしていて甘すぎない。
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タンマイ
杏(タンマイ)の果実酒で、ハノイ酒造の製品。度数は25%と、ベトナムの酒の中では低めになる。梅酒が好きな人なら、この杏の香りはすぐになじむ。

杏の果実酒。度数25%。口に含むと杏の香りが広がる。梅酒好きにも飲みやすい。
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チュオイホット
種のある野生のバナナ(チュオイホット)を漬けた酒。バナナといっても甘いお菓子のような香りではなく、渋みのある素朴な味だ。

野生のバナナを漬けたベトナムの果実酒。渋みのある素朴な味で、現地ではストレートで飲む。
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蛇酒は持ち帰りに注意
ベトナムの土産物屋で目立つのが、瓶の中に蛇やサソリが入った酒。見た目のインパクトで有名だが、コブラなどワシントン条約で取引が規制されている生き物が入ったものは、輸出許可書がないと日本に持ち込めない。空港で没収されることがあるので、土産にするなら中身の生き物を確かめてからにしたい。
8本の度数をくらべる
日本で手に入るベトナムの蒸留酒とリキュールの度数を並べると、こうなる。
日本の焼酎は25%前後が多い。ハノイウォッカやネップカムはそれより少し強い程度で、ロックなら焼酎と同じ感覚で飲める。40%のルアモイとネップモイはウイスキーと同じ強さなので、ストレートは小さなグラスで。
ベトナムで有名なビールとワイン
333とサイゴン
南部ホーチミン市のサイゴンビール(SABECO)が造るビール。333は「バーバーバー」と読む。
どちらも軽くて苦味が少なく、氷を入れても味が薄く感じにくい。暑い国で、氷を入れたグラスに注いで飲む前提の味だ。サイゴンスペシャルは麦芽100%で、ほかの2本より苦味とキレがある。

「バーバーバー」と読む南部のビール。泡立ちがよく、すっきりした味。スパイシーな料理に合う。
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麦芽100%のプレミアムビール。軽やかな苦味とシャープな後味。
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ハノイビール
北部ではハノイビール(HABECO)が主役になる。ハノイの路上には、その日に造った生ビール「ビア・ホイ」を、1杯100円もしない値段で飲ませる店がある。瓶や缶のハノイビールは、喉ごしがすっきりしていてコクもある。

首都ハノイで最も名の知れたビール。喉ごしすっきりで、ほどよいコクがある。
KOKYO MARKET で見る(9,500円) / 楽天市場で「ハノイビール」を探す
ビールの銘柄ごとの違いは、ベトナム産ビール人気ランキングトップ10にくわしく書いている。
ダラットワイン
中部の高原の町ダラットで造られるワイン。ベトナムでワインといえば、まずこの名前が挙がる。カーディナル種のぶどうを使い、白はフルーティで軽い。ヌックマムを使ったベトナム料理とも合わせやすい。

高原の町ダラットで造られるベトナムのワイン。白はカーディナル種のぶどうで、フルーティで軽い辛口。
KOKYO MARKET で見る(2,500円) / 楽天市場で「ダラットワイン」を探す
ほかのベトナムワインは日本で買えるおすすめのベトナム産ワインにまとめた。
ベトナムのお酒を日本で買える場所
ネット通販
種類をそろえたいなら通販が早い。店頭でベトナムの蒸留酒や果実酒を何種類も置いている店は少ない。
→ ハノイウォッカ、ルアモイ、ネップカム、マウ・ソン、タオメオなどの蒸留酒・果実酒と、333・サイゴン・ハノイビール、ダラットワインまで直輸入で扱う。ベトナムのお酒を1か所でまとめて買える
- 楽天市場
→ ネップモイは複数の酒販店が出品している。700mlと500mlで度数が違うので商品名を確認する
KOKYO MARKET で買えるおすすめ商品
この記事で紹介した商品の多くは、輸入食品・お酒の通販サイト KOKYO MARKET で購入できます。中国・台湾・韓国・ベトナムの食材から海外のビール・ワインまで、日本ではなかなか手に入らない商品を直輸入で取り扱っています。

飲みやすいベトナム酒 ハノイウォッカ 29.5% Vodka Hà Nội 29.5% 500ml 2,300円
ベトナムライスワイン ルオウ・ネップカム:赤米酒 Black Sweet Liquor 500ml 2,300円
ルオウ・チュオイホット:果実酒 Musa Balbisiana Liquor 500ml 2,500円
ルオウ・タオメオ:果実酒 Docynia Indica Liquor 500ml 2,500円
ネップモイは時期によって品切れの店が多い。見つけたら2本まとめて買っておくと、飲み比べ用にも土産用にもなる。
通販サイトの選び方はベトナム食材・食品が買えるネット通販6選、輸入酒全般なら輸入酒が買えるネット通販10選で比べられる。
ベトナム食材店・アジア食材店
ベトナム人が多く住む地域の食材店には、333やサイゴンのビール、ハノイウォッカが置いてあることが多い。ネップモイやルオウ・ネップカイが棚にあることもあるが、品ぞろえは店ごとにかなり違う。
近くの店を探すときは全国にあるベトナム食品・食材が買えるおすすめ食品店・スーパーが使える。関西なら大阪でベトナム食品・食材が買えるスーパー・専門店にエリア別の店をまとめた。
カルディ・輸入酒に強い酒屋
カルディや大型の酒販店では、333やサイゴンなどのビールを見かけることがある。蒸留酒や果実酒が並ぶことはあまりない。
現地で買って持ち帰る
ネップモイもハノイウォッカも、ベトナムではスーパーやコンビニで普通に売っている。日本に持ち込むとき、お酒は760ml程度の瓶3本までなら免税の範囲に入る。それを超えた分には税金がかかるので、まとめ買いするなら申告が要る。
どれから飲むか迷ったら
最初の1本で迷ったら、香りの好みで選ぶといい。
- 米の甘い香りを楽しみたい → ネップモイ
- 香りは控えめで、まろやかなほうがいい → ルアモイ
- 日本の焼酎くらいの強さで気軽に → ハノイウォッカ
- 日本酒に近い味がいい → ルオウ・ネップカイ
- 強いお酒は苦手 → タンマイか、333ビール
ベトナムのお酒を銘柄ごとに比べたいときは、ベトナム産の美味しいお酒8選も合わせて読んでほしい。コーヒー焼酎のカフェコや、ジンのサイゴン・バイガーも紹介している。



