韓国の居酒屋で、テーブルにまず置かれる緑の瓶。日本のスーパーでも見かけるようになりましたが、棚に並んでいるのはチャミスルだけではありません。
チョウムチョロム、セロ、ジョウンデー。名前は違っても、瓶の形も度数も似ています。違いがわからないまま緑の瓶を手に取って終わり、という人は多いはずです。
韓国焼酎は「希釈式か蒸留式か」で最初に二つに割れます。そこさえ押さえれば、あとは度数と甘さの好みで選べます。日本で手に入る10銘柄を、度数の数字を出しながら並べていきます。

韓国焼酎は日本の焼酎と何が違うのか
同じ「焼酎」の字を使いますが、飲み方の前提がまるで違います。
韓国焼酎(ソジュ)は、そのまま飲むために造られています。小さなショットグラスに注ぎ、冷やして少しずつ飲む。日本の焼酎のようにお湯や水で割ることは、韓国ではほとんどしません。
理由は甘味料です。多くの銘柄には果糖やステビアが加えられていて、割らなくても角が立たない。度数が16度前後まで下がっているのも、ストレートで飲み続けられるようにするためです。
瓶の緑色も意味があります。1990年代に一社が緑瓶を採用してから各社が追随し、いまでは韓国の焼酎売り場がほぼ緑一色になりました。近年はセロの白、眞露イズバックの水色など、あえて緑を外す銘柄も出てきています。
希釈式と蒸留式の違い
韓国焼酎の9割以上は希釈式です。
希釈式は、サツマイモやタピオカなどから造った高濃度のアルコールを水で薄め、甘味料や香料を加えて仕上げます。大量に安く造れるので、韓国のコンビニでは1本2,000ウォン前後。日本の甲類焼酎に近い造り方です。
蒸留式は米や麦をそのまま発酵させて蒸留します。原料の香りが残り、値段は希釈式の10倍近くになります。ファヨや一品眞露(イルプムジンロ)がこちら。韓国では贈答用や高級店で出る位置づけで、日本の本格焼酎に近いものだと思ってください。
「安くて飲みやすいのが希釈式、香りを楽しむのが蒸留式」。まずこの線を引くと、棚の見え方が変わります。
度数は毎年のように下がっている
韓国焼酎を選ぶとき、度数の情報は古くなりやすいので注意が要ります。
チャミスルは1998年の発売時、23度でした。それが段階的に下がり、2024年2月に16.0度になっています。26年で7度ぶん軽くなった計算です。
引き下げは他社も同じです。眞露イズバックは2026年2月に15.7度、セロは同年1月に15.7度へ。若い世代が強い酒を避けるようになったことと、低度数のほうが料理と合わせやすいという需要が背景にあります。
ここで実務的な話をひとつ。日本の棚に並ぶ瓶は、韓国の最新スペックと一致しないことがあります。 輸入されたロットが古ければ、ラベルには16.5度と書かれたままです。並行輸入の商品では特によく起きます。
度数を厳密に知りたいときは、商品ページの説明文ではなく瓶のラベル写真を見てください。0.5度の差は飲んだ体感には出ませんが、表示が食い違っていると気になるものです。
失敗しない選び方
度数で選ぶ
16度前後が現在の主流です。初めて飲むならここから入って問題ありません。
20度を超えるのは、チャミスル オリジナルとハンラサン、それに蒸留式の銘柄。韓国でも「昔ながらの味」の扱いで、飲み慣れた人向けです。日本の一般的なスーパーではまず置いていません。
13度のフレーバー系は、度数だけ見ればワインより低い。ただし甘くて進むので、結果的に飲む量が増えます。ビールの2倍以上あることは頭の隅に置いておいたほうがいいでしょう。
甘さで選ぶ
同じ16度でも、口に入れた印象はかなり違います。
辛口寄りが好みならチャミスル系、まろやかさを求めるならチョウムチョロム系。ざっくりこの二択から始めて、合わなければ反対側を試す。韓国の飲み手もだいたいこの二派に分かれています。
甘さが苦手な人には、ゼロシュガーを掲げるセロと眞露イズバックという選択肢もあります。果糖を使わない設計なので、後味がすっきりします。
韓国焼酎おすすめ10選
日本で買える銘柄から10本選びました。度数順ではなく、手に入りやすさと万人向けの度合いで並べています。
1. チャミスル フレッシュ(16.0度)
韓国の食卓の標準がこれです。2024年に16.0度へ下がり、以前より軽くなりました。
竹炭で4回濾過して雑味を落としてあるので、焼酎特有の匂いはほとんどありません。サムギョプサルでもチキンでも、脂の強い料理に合わせて邪魔をしない。最初の1本として、これを外す理由が見当たらないくらい無難です。
日本のスーパーやコンビニで「韓国焼酎」として置かれているものは、多くがこれです。
2. チャミスル オリジナル(20.1度)
同じチャミスルでも、度数が4度以上違います。
フレッシュが軽さを追ったのに対し、オリジナルは1998年の味の系譜を残したものです。喉を通るときの熱さがはっきりある。キムチチゲのような塩気の強い料理と合わせると、この辛口が効いてきます。
日本では韓国食材店か通販が中心で、一般のスーパーで見かけることは少ないです。度数ごとの違いはチャミスルの度数は?種類ごとの違いと日本で買える場所に詳しくまとめてあります。
3. チャミスル フレーバー(13度)

13度。フレーバーの中で最も流通している一本。甘さが強く、焼酎が苦手でも飲めます。
KOKYO MARKET で見る(2,010円) / 楽天市場で「チャミスル マスカット」を探す
13度で揃えられたフルーツ系のシリーズです。マスカット、ストロベリー、青りんご、グレープフルーツ、ヨーグルト。日本に入ってくるのはこのあたりが中心です。
甘さははっきりしていて、氷を入れればそのままカクテルのように飲めます。炭酸で割ると甘さが抜けて食事にも合わせやすい。焼酎に慣れていない人を誘うときに、いちばん失敗しない選択肢です。
季節限定のフレーバーが韓国では出ますが、日本まで届くのは定番の数種類に限られます。
4. チョウムチョロム(16.0度)
ロッテ七星飲料が2006年に出した銘柄で、韓国ではチャミスルと人気を二分しています。
売りはアルカリ還元水です。飲み比べるとチャミスルよりも角が丸く、喉に当たる感じが柔らかい。逆にいえばキレは弱いので、辛口が好きな人には物足りなく感じられます。
韓国では2026年に入ってからさらに度数を下げる動きがあり、棚の商品によって表示が揺れています。
5. セロ(15.7度)
2022年発売の比較的新しい銘柄で、韓国の若い層に定着しました。
果糖を加えず甘味料を工夫しているため、飲んだあとに口に残る甘さがありません。緑ではない白い瓶なので、棚でもすぐ見つかります。甘い焼酎が苦手で、それでも16度前後の軽さは欲しい。その条件に合う数少ない1本です。
6. 眞露イズバック(15.7度)
2019年に、往年のデザインを復刻する形で登場しました。水色の瓶は韓国の居酒屋でもよく目立ちます。
味はセロと同じ方向で、甘さを抑えた設計。度数も2026年2月に15.7度まで下がりました。レトロな見た目に反して、中身は最も現代的な部類です。ボトルを並べたときの見栄えがいいので、手土産にも使えます。
7. ジョウンデー(16.9度)
慶尚南道・昌原の無鶴(ムハク)が造る地焼酎です。2006年に16.9度で出したとき、当時としてはかなり低い設定でした。いまの低度数の流れを作った銘柄といっていい存在です。
焼酎臭さが抑えられていて、すっきりした飲み口。釜山や馬山を旅行して気に入って帰ってくる人が多い1本でもあります。ザクロやユズを使ったフレーバー版も出ています。
8. ハンラサン(21度)
済州島の漢拏山(ハルラサン)酒造が造っています。オリジナルは21度で、現在の韓国焼酎としてはかなり高い部類です。
島の火山岩盤水を使った仕込みで、味の輪郭がはっきりしています。17度のソフトタイプもあるので、強すぎると感じたらそちらを。済州島の土産として買われることが多く、日本では取り扱う店が限られます。
9. ファヨ(25度)
蒸留式の代表格です。韓国産の米と麹だけで発酵させ、減圧蒸留で仕上げます。
希釈式のソジュしか飲んだことがない人が口にすると、同じ「ソジュ」の名前で呼ぶのが不思議に感じられるはずです。米の甘い香りが立ち、余韻が長い。25度のほか41度や17度もあり、韓国では高級店やギフトの定番になっています。
値段は希釈式の10倍近くしますが、韓国の酒の幅を知るなら一度は通る1本です。
10. 鏡月グリーン(20度)
日本のスーパーで最も見つけやすい「韓国の焼酎」がこれです。韓国の工場で造られ、日本市場向けに販売されています。
ここまでの9本とは設計が違い、割って飲むことが前提。4リットルのペットボトルがあるのはそのためです。ソーダや緑茶で割って晩酌に使うなら、1杯あたりの安さで有力な選択肢になります。韓国の居酒屋の味を求めるならチャミスル系、家で気軽に飲むなら鏡月、という住み分けになります。
チャミスルとチョウムチョロムはどう違うか
韓国で最もよく比較される2本です。度数はどちらも16.0度で並びます。
| チャミスル フレッシュ | チョウムチョロム | |
|---|---|---|
| 製造 | ハイト真露 | ロッテ七星飲料 |
| 度数 | 16.0度 | 16.0度 |
| 水 | 竹炭で4回濾過 | アルカリ還元水 |
| 味の方向 | すっきり、キレがある | まろやか、角が丸い |
| 発売 | 1998年 | 2006年 |
| 合う料理 | 脂の多い肉、チキン | 鍋もの、刺身 |
飲み比べると差は出ます。チャミスルは喉を通るときに一本筋が通った感じがあり、チョウムチョロムはそこが柔らかい。
どちらが上という話ではなく、韓国でも地域と世代で好みが割れています。2本買って同じ日に飲み比べるのが、いちばん早い決着のつけ方です。1本あたり数百円なので、試す負担も軽い。
日本ではどこで買えるか
扱う店は年々増えていますが、銘柄の幅は買う場所で大きく変わります。
輸入食品の通販
複数の銘柄を揃えたいなら通販が確実です。実店舗を回るより早く、まとめ買いすれば1本あたりの単価も下がります。
→ 韓国焼酎からビール、中国・台湾のお酒まで直輸入で取り扱い。まとめ買いの送料が安い
- 楽天市場
→ 地焼酎や蒸留式まで銘柄の幅が広い。箱買いすると単価が下がる
KOKYO MARKET で買えるおすすめ商品
この記事で紹介した商品の多くは、輸入食品・お酒の通販サイト KOKYO MARKET で購入できます。中国・台湾・韓国・ベトナムの食材から海外のビール・ワインまで、日本ではなかなか手に入らない商品を直輸入で取り扱っています。

眞露 チャミスル マスカット 焼酎 13度 360ml JINRO 韓国産チャミスル 2,010円
TERRA(テラ)ビール 瓶 JINRO 韓国ビール 330ML 1,800円
牛欄山 二鍋頭白酒(アルコードシュ)56度 500ml スピリッツ 56度 白酒 中国焼酎 バイチュウ バイジョウ 中華お土産 中国酒 中国名物 1,100円
ヘテ ぶどうボンボン 340ml 韓国人気果肉入りフルーツジュース 5,175円
韓国食材店・新大久保
フレーバー違いや地焼酎まで揃うのは韓国食材店です。1本から買えるので、味を試したいときに向いています。店ごとの品揃えは新大久保で韓国食品が買えるスーパー・専門店を全店紹介にまとめました。
ドン・キホーテ
チャミスルのフレッシュとマスカットは置いている店舗が多いです。ただし在庫の差が大きく、地焼酎までは期待できません。ドンキホーテで買える人気韓国食品ランキングも参考になります。
一般のスーパー・コンビニ
鏡月とチャミスル フレッシュが中心です。フレーバー系が少し置かれることもあります。ここで買えるのは実質2〜3種類だと考えておいてください。
飲み方で味は変わる

ストレート
韓国での基本形です。冷蔵庫でよく冷やし、ショットグラスに注ぎます。冷えているほど甘さが締まってキレが出るので、常温で飲むと印象がだいぶ落ちます。飲む数時間前には冷やしておきたいところです。
ソメク
ビールで割る飲み方で、韓国ではこちらのほうが日常的かもしれません。ビール7に対して焼酎3から試すと飲みやすく、度数は5〜7度あたりに落ち着きます。
合わせるビールはカスやテラなど韓国のものが定番ですが、日本のラガーでも問題ありません。韓国ビールの入手先は韓国ビールはどこで売ってる?日本で買える店舗・通販まとめに整理しています。
炭酸割り・お茶割り
フレーバー系は炭酸で割ると甘さが抜けて、食事の邪魔をしなくなります。鏡月のような20度の銘柄は、緑茶やウーロン茶で割ると飲みやすい。
お湯割りだけは避けたほうがいいでしょう。甘味料が入っているので、温めると甘さだけが立ってしまいます。
合う料理
脂の強い韓国料理全般です。サムギョプサル、ヤンニョムチキン、チゲ。辛い料理と甘いフレーバーを交互にとると、どちらもくどくなりません。
韓国のお酒はマッコリやビールも含めて幅があります。焼酎以外も見比べたい人は日本で買える韓国の美味しいお酒ランキング10選と、マッコリおすすめ10選|度数・飲み方・日本で買える場所が参考になります。
買ったあとの扱い
蒸留酒なので、未開封なら賞味期限の表示はありません。何年か置いても中身が悪くなることはないです。
開封後は銘柄で差が出ます。フレーバー系は果汁や香料が入っているぶん香りが飛びやすく、開けたら数週間で飲み切るつもりでいたほうがいい。甘味料の少ないオリジナルやフレッシュ、蒸留式のものはもう少し持ちます。
置き方は立てたまま、直射日光を避ける。ワインのように寝かせる必要はありません。
まず1本選ぶなら
韓国の居酒屋の味をそのまま知りたいならチャミスル フレッシュ。甘さが苦手ならセロか眞露イズバック。焼酎自体に慣れていないならフレーバーの13度から。
2本目からは好みがはっきりしてきます。辛口が合うと感じたらハンラサンやチャミスル オリジナルへ、まろやかさを取るならチョウムチョロムやジョウンデーへ。最後に蒸留式のファヨを飲むと、韓国焼酎という言葉が指す幅の広さがわかります。



