国産のノンアルコールビールを飲んで「これはビールではないな」と感じたことがある人は、海外の銘柄を一度試す価値がある。
理由は作り方にある。国産の多くは発酵させずに味を組み立てるのに対して、ヨーロッパの銘柄は普通のビールを一度造ってから、アルコールだけを抜くものが多い。麦の厚みが残りやすいのはこちらだ。
ここでは日本の通販で実際に流通している海外のノンアルコールビールを10本選んだ。度数と製法、味のタイプ、それから買える場所を順に見ていく。度数は輸入元や販売店の表示に合わせている。
海外のノンアルコールビールを選ぶ前に知っておきたいこと
「0.0%」と「0.00%」は同じではない
最初に押さえておきたいのが度数の表示だ。
日本のビール酒造組合は、アルコール度数が0.00%(0.005%未満)のものを「ノンアルコール飲料」と呼んでいる。国産のノンアルが缶に「0.00%」と小数第2位まで書くのはこのためだ。
海外ではこの線が違う。ドイツなどでは、0.5%未満なら「アルコールフリー(alkoholfrei)」と表示できる。0.0%と書かれた輸入品でも、保証しているのは小数第1位までになる。
日本の酒税法では、アルコール1%以上が酒類。0.5%未満のビールは法律上お酒ではないので、清涼飲料水として普通に売られている。
普段飲む分には気にしなくていい差だ。ただ、車を運転する日や、アルコールをまったく口にしたくない事情がある日は話が別になる。そういう日は0.00%と書かれた国産を選ぶほうが確実だ。
製法で味の方向が決まる
ノンアルコールビールの作り方は大きく3つある。
脱アルコール製法は、普通のビールを最後まで造ってから、減圧蒸留や膜を使ってアルコールを取り除く。手間はかかるが、麦芽とホップの味がビールのまま残る。この記事で紹介する銘柄の多くはこれだ。
発酵を抑える製法は、酵母の働きを途中で止めて、アルコールがほとんどできないうちに仕上げる。麦の甘みが残りやすい。
調合製法は、発酵させずに麦芽エキスや香料を合わせて作る。アルコールが入らないので0.00%を保証しやすく、国産の多くはこの作り方を取っている。
味の好みで言えば、ビールらしさを求めるなら脱アルコール、すっきり軽く飲みたいなら調合。国産と輸入品は、同じ「ノンアル」でも別の飲み物と考えたほうが選びやすい。
ビールそのものの国ごとの違いは「海外ビールと日本のビールは何が違う?」にまとめている。
海外のノンアルコールビールおすすめ10選
| 銘柄 | 国 | 表示度数 | タイプ |
|---|---|---|---|
| ハイネケン0.0 | オランダ | 0.0% | ラガー |
| ビットブルガー ドライブ | ドイツ | 0.0% | ピルスナー |
| ヴェリタスブロイ | ドイツ | 0.0% | ラガー |
| エストレーリャ・ガリシア0,0 | スペイン | 0.0% | ラガー |
| ビア・デザミー ブロンド | ベルギー | 0.0% | ブロンド |
| クラウスターラー | ドイツ | 商品の版で異なる | ラガー |
| ババリア0.0 | オランダ | 0.0% | ラガー |
| エルディンガー アルコールフリー | ドイツ | 0.5%未満 | 小麦ビール |
| ビア・デザミー クレイジーIPA | ベルギー | 0.0% | IPA |
| バドワイザーゼロ | アメリカ | 0.0% | ラガー |
1. ハイネケン0.0
最初の1本ならこれ。緑の瓶でおなじみのハイネケンが、2017年に出したノンアル版だ。
日本では2023年10月に全国発売になった。それまでは並行輸入でしか手に入らなかったので、扱う店が一気に増えた。
製法は脱アルコール。通常のハイネケンと同じように醸造してから、アルコールだけを取り除く。ハイネケンらしい軽い苦味とすっきりした後味が残っていて、国産ノンアルの甘さが苦手な人にも勧めやすい。
オランダ。度数0.0%。通常のハイネケンを造ってからアルコールを抜く脱アルコール製法。軽い苦味とすっきりした後味。
2. ビットブルガー ドライブ
ドイツのビットブルガーは、ピルスナーで知られる大手の醸造所。その名前のとおり、運転する人に向けて作られたノンアルが「ドライブ」だ。
度数は0.0%。ピルスナーの醸造所らしく、ホップの苦味がはっきりしている。苦いビールが好きな人には、10本の中でこれが一番合うと思う。
ドイツ。度数0.0%。ピルスナーで知られる醸造所のノンアル。ホップの苦味がはっきり出る。
3. ヴェリタスブロイ ピュア&フリー
楽天でケース買いされている輸入ノンアルの定番。パナバックが輸入している。
輸入元の表示では、原材料は麦芽・ホップ・水だけ。度数は0.0%。添加物で味を作らず、ビールからアルコールを抜く方法で仕上げている。味は軽めで、毎日の食事に合わせやすい。1本あたりの値段が輸入品の中では安く、まとめ買いの候補になりやすい。
ドイツ。度数0.0%。原材料は麦芽・ホップ・水。軽めの飲み口で、ケース買いされることが多い定番。
4. エストレーリャ・ガリシア0,0
スペイン北西部ガリシア地方、ア・コルーニャの醸造所のノンアル。1906年創業の家族経営の会社が造っている。
日本で売られているのは250mlの小瓶が中心。量が少ないぶん、冷えているうちに飲み切れる。麦のコクがあり、魚介の料理と合わせるとよく合う。地元ガリシアが港町なのもうなずける。
スペイン。度数0.0%。日本では250ml瓶が中心。麦のコクがあり、魚介の料理に合わせやすい。
5. ビア・デザミー ブロンド
ベルギーのノンアル。2025年の大阪・関西万博で、ベルギーパビリオンが採用した銘柄として売られている。日本の輸入元は湘南貿易だ。
度数0.0%。ベルギーのブロンドビールらしく、ホップの香りが華やか。ドイツ系のきりっとした苦味とは方向が違い、香りを楽しむ1本になる。6本入りのギフトセットもある。
ベルギー。度数0.0%。ベルギーのブロンドビールらしい華やかなホップの香り。6本入りのギフトセットもある。
6. クラウスターラー
ドイツのノンアルの古株。1979年にフランクフルトで発売され、今はラーデベルガーのグループが造っている。
ドイツ国内では、0.5%未満の通常版と0.0%の版が並んでいる。日本の通販で買うときは、ラベルの度数を確かめておきたい。
味はドイツのラガーそのもので、苦味と麦の甘みのバランスがいい。40年以上ノンアルだけを作り続けてきたブランドなので、飲み比べの基準に置くのに向いている。
ドイツ。1979年発売のノンアルの古株。度数は版によって0.0%と0.5%未満があるので、買う前にラベルを確認。
7. ババリア0.0
オランダのババリアは、家族経営で続く大手の醸造所。名前はドイツのバイエルン(英語でババリア)から来ているが、オランダのビールだ。
度数0.0%、製法は脱アルコール。ハイネケン0.0と同じオランダの軽いラガーで、値段はこちらのほうが手頃なことが多い。ハイネケン0.0が気に入った人の、普段飲み用の2本目に向く。
オランダ。度数0.0%。脱アルコール製法の軽いラガー。ハイネケン0.0より手頃なことが多い。
8. エルディンガー アルコールフリー
ここから少し毛色が変わる。南ドイツ・バイエルン州エルディングの、小麦ビール(ヴァイツェン)の醸造所が造るノンアルだ。
小麦麦芽を使っているので、ピルスナー系とは香りがまるで違う。バナナのようなフルーティな香りと、やわらかい口当たり。ラガーのノンアルに飽きた人に勧めたい。
注意したいのは度数。0.5%未満で、0.0%ではない。日本ではお酒の扱いにならないが、運転前には選ばないほうがいい。
ドイツ。度数0.5%未満(0.0%ではない)。小麦ビールらしいフルーティな香りとやわらかい口当たり。
9. ビア・デザミー クレイジーIPA
5位のビア・デザミーのIPA版。日本では「初上陸」として最近売られ始めた。
IPAはホップを大量に使う、苦味と香りの強いスタイル。ノンアルでは珍しく、柑橘のようなホップの香りを前に出している。度数は0.0%。クラフトビールが好きな人は、ブロンドよりこちらから入ったほうが満足できるはず。
ベルギー。度数0.0%。ホップの苦味と香りを強く出したノンアルのIPA。クラフトビール好き向け。
10. バドワイザーゼロ
アメリカのバドワイザーのノンアル版。日本ではアンハイザー・ブッシュ・インベブ ジャパンが扱っている。
度数0.0%。本家と同じく軽く、苦味は控えめ。ヨーロッパの銘柄に比べるとクセがなく、ビールの苦味がもともと得意でない人でも飲みやすい。缶で売られていて、輸入品の中では店頭で見かける機会が多いほうだ。
アメリカ。度数0.0%。苦味は控えめでクセが少ない。缶で手に入りやすい。
好みから選ぶなら
10本を並べると迷うので、好みから逆に引けるようにしておく。
- 苦いビールが好き → ビットブルガー ドライブ、クラウスターラー
- すっきり軽いのがいい → ハイネケン0.0、バドワイザーゼロ、ババリア0.0
- 香りを楽しみたい → ビア・デザミー ブロンド、エルディンガー アルコールフリー
- クラフトビールが好き → ビア・デザミー クレイジーIPA
- 毎日飲むので安く → ヴェリタスブロイ、ババリア0.0
通常のビールの度数が気になる人は「海外ビールのアルコール度数一覧」も参考になる。
海外のノンアルコールビールはどこで買える?
店舗で買う
ハイネケン0.0とバドワイザーゼロは、大手のスーパーで見かけることがある。この2本はまず近所の店を探してみるといい。
それ以外の銘柄は、店ではなかなか見つからない。輸入酒の多い酒屋や、成城石井のような輸入食品に強いスーパーに置かれていることがあるが、品揃えは店ごとにばらばらだ。
通販で買う
確実なのは通販になる。輸入のノンアルは24本入りのケースで売られていることが多く、1本ずつ店で買うより安くなりやすい。
→ 世界のビールを直輸入で扱う通販。ノンアルコールの取り扱いは今のところないが、ハイネケンやヒューガルデンなど、ノンアル版の「本家」の通常ビールが買える
- 楽天市場
→ この記事の10銘柄はすべて楽天で見つかる。ケース販売が中心で、ポイントも貯まる
ノンアルで気に入ったら、本家のビールも
ノンアルで気に入った銘柄があれば、飲める日には本家のビールも試してみてほしい。ハイネケン0.0のあとにハイネケンを飲むと、アルコールを抜いたことで何が変わったのかがよくわかる。
KOKYO MARKET では、オランダのハイネケンやベルギーのヒューガルデンなど、海外の通常のビールを1本から扱っている。


KOKYO MARKET で買えるおすすめ商品
この記事で紹介した商品の多くは、輸入食品・お酒の通販サイト KOKYO MARKET で購入できます。中国・台湾・韓国・ベトナムの食材から海外のビール・ワインまで、日本ではなかなか手に入らない商品を直輸入で取り扱っています。

ベルギー ヒューガルデンホワイト 330ml瓶 ABI 海外輸入ビール 1,800円
エストレージャダム 瓶 330ml スペインビール 海外輸入ビール 3,700円
ギネス エクストラスタウト 330ml瓶 海外輸入ビール アイルランドビール 3,300円
ハイネケン 350ml 缶 海外輸入ビール オランダビール 2,700円
ピルスナーの本場の味を知りたい人は「チェコビールおすすめ8選」も読んでみてほしい。
まとめ
海外のノンアルコールビールは、普通のビールを造ってからアルコールを抜くものが多く、国産より麦とホップの味が濃く残る。
最初の1本ならハイネケン0.0。苦味が欲しければビットブルガー ドライブ、香りならビア・デザミー。
運転する日やアルコールを完全に避けたい日は、0.0%ではなく0.00%と書かれたものを選ぶ。エルディンガー アルコールフリーのような0.5%未満の銘柄は、それ以外の日に楽しみたい。



